せつなくて狂おしい恋…宮沢氷魚&藤原季節が『his』で魅せる<写真11点>
昨年の話題作『愛がなんだ』(19)をヒットに導いた恋愛映画の旗手・今泉力哉監督が、今年、田中圭主演の『mellow』(上映中)に続いて贈る『his』が現在公開されている。
19年春にメ~テレで制作、放送されたドラマのその後を描く物語。田舎の村で同性愛者であることを隠してひっそりと暮らす青年のもとに、8年前に別れた初恋相手の男性が娘を連れて現れたことから、3人の共同生活が始まる…。今泉監督自身初となる男性同士の恋模様を描いた本作のメインキャストに抜擢された、2人のフレッシュなイケメン俳優に注目したい!
一人目は、控えめで協調性を重んじる性格の一途な男・井川迅を演じた、雑誌「MEN'S NON-NO」で専属モデルも務める宮沢氷魚(ひお)。元THE BOOMのボーカル・宮沢和史を父に持つクォーターの彼は、184cmの長身と白い肌に琥珀色の瞳が、繊細な存在感を放つ注目株だ。17年にドラマ「コウノドリ」第2シーズンで俳優デビュー。杏の主演ドラマ「偽装不倫」(19)で相手役の年下のイケメンカメラマンを演じてセンセーションを巻き起こすなど、いま人気急上昇中の逸材だ。
2人目は、偽りの結婚生活に耐えきれず、6歳の娘・空を連れて元恋人の迅のもとを訪ねる日比野渚を演じた、藤原季節(きせつ)。黒い長髪に凛々しい顔つきの男らしい魅力があふれる彼は、下積み時代を経て、松田美由紀に見いだされ芸能事務所所属となった。『ケンとカズ』(16)を筆頭に、『ライチ☆光クラブ』(16)、『全員死刑』(17)など、硬派でエッジの効いた作品に数多く出演し、映画業界から熱視線を集める存在だ。今作は『アイネクライネナハトムジーク』(19)に続き、今泉作品2度目の出演となる。
そんなネクストブレイクの予感に満ちた2人が、体当たりで難役に挑んだ本作には、心揺さぶるシーンがいくつも登場する。泥酔して玄関に座り込む渚を介抱しようした迅が、いきなり渚にキスされる場面や、2人が同棲していた大学生時代の回想シーンで、ベッドで寄り添いながら愛おしそうに話している場面、迷いを振り切った迅が「空ちゃんと渚と3人で生きていきたい」と告げる場面など、2人の複雑な想いが交差する描写に、胸がキュッと締めつけられてしまう。
世間に対して自分を偽ってきた迅、妻との間で娘の親権問題に揺れる渚。それぞれの葛藤と向き合う彼らが最後に導き出す答えとは…?新世代のイケメン俳優が紡ぐ、せつない純愛物語の行方を、ぜひスクリーンで見守ってほしい。
文/トライワークス