【ランキングで振り返る『ウォーキング・デッド』の10年 Vol.3】阿鼻叫喚!振り返れば、こんな衝撃的な出来事が!
2010年にスタートした『ウォーキング・デッド(TWD)』が、放送開始10年目に突入!そこでさまざまなオリジナル・ランキングでこれまでの『TWD』を振り返る。第3弾はこの世界で起きた衝撃的な事件をランキング。『TWD』にはこんなショッキングな出来事があった!
※以下ストーリーのネタバレがあります。
誰もが無事ではいられない。何が起こるか分からない。何しろ、死者が歩き回る世界で生き延びていこうとする話なので、予期しなかったことが次々に起こる。それが普通の状況なのに、さらにその上をいく衝撃的な出来事が起きるのが『TWD』のスゴイところ。いったいどんな事件が起きたのか、ランキングで振り返ってみよう。
【第10位】リックが「二度と俺に逆らうな」(シーズン2第13話 『壊れゆく人格』)
ハーシェルの農場から焼け出された後、みんながそれぞれ勝手な判断を主張し、それ以外にも精神的ダメージが続いていたリックは、ついにキレて大声を出す。「俺はみんなを守ろうと必死だ。グループに残るなら、二度と俺に逆らうな」。
この発言は衝撃的。それまでは他のドラマ同様、リックは好感度の高い主人公で、彼に共感しながらドラマを見ていることが出来たのに、この瞬間、そうはいかなくなった。しかし、だからこそ『TWD』はここからさらに面白くなる。
【第9位】サシャの最後の反撃(シーズン7第16話『遺志を継ぐ者たち』)
サシャが真っ暗の中、イヤフォンでiPodのダニー・ハサウェイ「いつか自由に」を聴いているところから始まって、後からそれが棺の中だったことが分かる感動的なエピソード。サシャがやろうとしていることは推測できるが、それでもその瞬間、彼女がウォーカーとなってニーガンに飛びかかる瞬間のインパクトは強烈。エピソード最後のマギーのスピーチも感動的。
【第8位】娘たちの前でハーシェルの首が!(シーズン4第8話 『最期の決戦』)
総督は、ハーシェルとミショーンを人質にして、リックたちが暮らす"刑務所"を自分たちのグループに渡せと要求。リックは刑務所を共有しようと言うが、総督は拒否し、予告もなく、ハーシェルの首を日本刀で斬る。しかも、ハーシェルの娘たち、マギーとベスの目の前で。その直前に、総督が娘のように可愛がっていた幼い少女が死んでショックを受けていたとはいえ、総督のこの突然の暴力は、ショッキング。
【第7位】カールの右目が!?(シーズン6第9話 『決死の一夜』)
死人たちが動き回る世界でのサバイバルなので、ケガをするのは日常茶飯事だが、それでも主要登場人物の大ケガは衝撃的。
夜のアレクサンドリアにウォーカーの大群が襲来、リックが好意を抱く住民ジェシーの息子ロンは、逃走中に母親と弟をウォーカーに殺され「お前のせいで…」とリックに銃を向ける。ミショーンが彼を倒してリックは無事だったが、ふとカールを見ると、片方の目が撃ち抜かれ、顔の半分が真っ赤に。カールは倒れ、一瞬、死んだのか?!と衝撃が。その後、命は取り留めるが、この場面もショックが強かった。
【第6位】マギーがグレゴリーを処刑(シーズン9第1話 『新たな幕開け』)
リックが次第に何かと悩んだり間違いを犯したりする中、どんどん頼れるリーダー的存在になっていったのがマギー。なのに、そのマギーも常に理性的なわけではないことが分かったのが、この事件。
ヒルトップのリーダーだったグレゴリーは、もともと自分勝手な小心者だし、マギーを殺そうとしたのは重大な罪だが、それでも彼に死刑を宣告し、それを住民たちの面前で執行するとはショッキング。
【第5位】リックが親友シェーンを……(シーズン2第12話 『深い森の中で』)
親友同士だった2人は、どちらかがグループを去るのかと思っていたら、殺し合いをするという展開になるのが衝撃的。リックは、親友シェーンと2人で夜の森で人探しをすることになり、彼が自分を殺そうとしていることに気づくが、「このまま帰って、すべてを忘れよう」と彼に改心するチャンスを与える。しかしシェーンはそれに応えず、親友同士が殺し合いをすることになってしまうのだ。
【第4位】幼い姉妹、リジーとミカに起きた悲劇(シーズン4第14話 『正気な狂気』)
両親を失った幼い姉妹、リジーとミカの出来事は悲痛。リジーは歩く死人のいる世界で生きるために精神を病み、ウォーカーたちにネズミを与えて可愛がり、人間はみな彼らのようになるべきだと考えるようになる。そして、平然と妹ミカを殺して「平気よ、戻ってくるから」と言い放つ。その衝撃。キャロルは、リジーが病んでいることを受け止め、「彼女は他の人と一緒に暮らせない」と彼女を殺す。リジーも哀しいが、キャロルも切ない。
【第3位】ここは人間屠殺場?!(シーズン5第1話 『食うか食われるか』)
大仰な演出もなく、当たり前のように画面に出てくるので逆にショックなのが、“終着駅”にある、まるで豚や牛のように人間を扱う人肉精肉所。ビニール製のエプロンをした人々がバットやナイフを持って忙しそうに働いているが、彼らが扱っているのは人間の体。リック、ダリル、グレンも危うく加工されそうに。働く人たちが、もはや何とも思わず普通に働いているところが衝撃度大。
【第2位】"囁く者"の領地の境界線(シーズン9第15話 『裏切りの代償』)
確かに"囁く者"たちが残虐な行為をするだろうと予測させる展開ではあった。とはいえ、こんな衝撃的すぎる光景を目にすることになろうとは。
"囁く者"たちは自分たちの領土への侵入を禁じるため、その境界線に、なんとリックの仲間たちの生首を刺した棒を並べて立てる。
まず遠景が見えて「もしや…」と思わせ、さらに1本ずつがアップになると、誰の首かがわかるほどリアルな生首が。その中にはまだ若い少年少女も。そしてずっとレギュラーだったタラ、イーニッドが。さらに、ダリルがキャロルに見せまいとするが、ヘンリーも。この人数の多さも強烈すぎる。
【第1位】有刺鉄線巻きバットで撲殺(シーズン7第1話『惨き鉄槌』)
この演出がまたスゴかった。シーズン6最終話で、ニーガンがリックたちを捕まえてひとり殺すと言い、誰が殺されるのかはシーズン7第1話までお預け。さらに、殺害シーンは冒頭ではなく、リックの回想として描かれる。そのシーンも、エイブラムズが殺され、怒ったダリルが連れて行かれて、これでひと段落かと思ったところで、イキナリのグレンへの殴打。そのうえ、バッドで潰されたグレンの顔が、このエピソードを監督したVFXマン出身のグレッグ・ニコテロ渾身の特殊メイクでリアルに描かれ、インパクトありすぎ。
こうしてランキングを見ると『TWD』の衝撃には、2つの種類がある。まずひとつは、視覚的にショッキングな事件。突然、直視するのを躊躇してしまうような、とんでもない光景が出現する。第1位は精神的ショックももちろんだが、やっぱり有刺鉄線バット"ルーシー"で殴られたグレンの顔は、ちょっと忘れられない……。
そして、もう一つは、精神的にショックを受ける事件。とくに幼い子供たちのエピソードは、ショッキング。世界の変化は、大人たちよりも子供たちに大きな影響を与えてしまうことがあり、そこが悲痛。中でも第4位のリジーとミカ姉妹の話は切なすぎる。
こんなふうに、ビジュアル面と感情面、その両方に衝撃を与えるのが『TWD』流なのだ。
文/平沢薫
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