壁ドンにツンデレ、『パラサイト』まで!?大ヒット作の原点は“若尾文子映画”にあり!<写真21点>|最新の映画ニュースならMOVIE WALKER PRESS
壁ドンにツンデレ、『パラサイト』まで!?大ヒット作の原点は“若尾文子映画”にあり!<写真21点>

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壁ドンにツンデレ、『パラサイト』まで!?大ヒット作の原点は“若尾文子映画”にあり!<写真21点>

増村保造監督や溝口健二監督ら、日本映画の黄金期を支えた名だたる巨匠たちに愛された映画女優・若尾文子の出演作の中から、代表作はもちろん未パッケージ化の貴重な作品まで41作品を上映する「若尾文子映画祭」が、2月28日(金)より東京・角川シネマ有楽町を皮切りに全国順次上映。このたびそのラインナップから“お宝場面写真”が一挙に解禁された。

「若尾文子映画祭」は2020年2月28日(金)より全国順次上映!
「若尾文子映画祭」は2020年2月28日(金)より全国順次上映![c]KADOKAWA

2015年に行われた「若尾文子映画祭 青春」以来5年ぶりの一挙上映となる本企画は、昨年の「京マチ子映画祭」と現在順次上映中の「市川雷蔵祭」につづく、KADOKAWAが保有する大映や角川映画の豊富なライブラリー作品を次世代に継承すべく立ち上げたブランド「角川シネマコレクション」の劇場上映企画。その目玉として上映されるのは、今回が世界初披露となる『刺青』(66)の4Kデジタル修復版。

このたび解禁されたのは、上映される41作品のうち19作品の場面写真計20枚。自らの欲望のままに男を騙していく娼婦や、自分の生き方に目覚めていく天真爛漫な少女、相手を想うあまり狂気に走る妻など、女性が持ついくつもの顔や壮絶な人生を見事に演じきった若尾の魅力が垣間見えるものばかり。

若尾文子が団地住まいの一家に『パラサイト』!?痛快ブラックコメディ『しとやかな獣』
若尾文子が団地住まいの一家に『パラサイト』!?痛快ブラックコメディ『しとやかな獣』[c]KADOKAWA1962

ある家族に寄生するブラックコメディで、意味深な階段や覗き見シーンが登場するという『パラサイト 半地下の家族』(公開中)との共通点が多々ある『しとやかな獣』(62)など、近年の大ヒット作品に多大なる影響を与えたと言っても過言ではない若尾作品の数々。元祖“壁ドン”映画といえる『青空娘』(57)や、“ツンデレヒロイン”の原型ともいえる『安珍と清姫』(60)、さらには王道ラブコメの原点ともいえる『銀座っ子物語』(61)などなど。

『青空娘』は増村保造監督と若尾が初タッグを組んだ記念すべき作品
『青空娘』は増村保造監督と若尾が初タッグを組んだ記念すべき作品[c]KADOKAWA1957

また、角川シネマ有楽町での会期中には若尾の音声インタビュー付き特別映像が併映される特別上映と、国内外から高い評価を集める美術監督の種田陽平をゲストに招いたトークショーが開催されることも決定。詳細は公式ホームページなどで確認してほしい。

半世紀以上前に製作されたとは思えない新しさに満ちた大映ならではの作品群と、その中で躍動する日本屈指の“ファム・ファタール”である若尾の姿をスクリーンで堪能できる今回の「若尾文子映画祭」。是非とも劇場に足を運び、日本映画の魅力と底力を再確認してみてはいかがだろうか。

谷崎潤一郎原作の『刺青』は4Kデジタル復元版で日本初披露!
谷崎潤一郎原作の『刺青』は4Kデジタル復元版で日本初披露![c]KADOKAWA1966

文/久保田 和馬