トリビア&BD特典から探る『ジョーカー』悪のカリスマ誕生の裏側
アメコミ映画の枠を超え世間に衝撃を与えた『ジョーカー』。トッド・フィリップス監督&ホアキン・フェニックスはいかにして映画史に残る悪のカリスマを生み出したのか。BDの映像特典やトリビアなどを基に、そのチャレンジの過程にフォーカスする。
ネタバレあり!全編にちりばめられたトリビア
「11時11分」が意味するもの
アーサーが心理カウンセラーと面談する部屋や、彼の回想で描かれる精神病院にある時計は、いずれも11時11分を指している。アーサーが叩き落とすタイムレコーダーも同時刻を指していることから、本作で語られていた事象は、全てアーサーの妄想だったという説もあり。
『ゾロ』上映館近くでの惨事はシリーズのお約束
終盤、映画館を出た後に悲劇に見舞われるウェイン一家。劇場で上映されているのが黒装束のヒーロー、ゾロの映画だ。鑑賞後にトーマスと妻が殺される設定は『バットマン』のコミックや映画でたびたび語られている。
コメディ・クラブ「Pogo's」はあの殺人鬼から
アーサーがコメディアンとして初めて舞台に立つクラブの名称“ポゴ'ズ・コメディ・クラブ”は、実在の連続殺人鬼ジョン・ウェイン・ゲーシーに由来する。ゲーシーはポゴという芸名でピエロの変装をしながら多数の少年を殺し、殺人ピエロと呼ばれた。
楽屋の壁に描かれたマレーの笑顔
マレーのショーに出る際、アーサーはピエロ=ジョーカーのメイクを施して待機している控室には、壁一面にマレーが笑う絵が描かれている。その口元は『バットマン』(89)でジャック・ニコルソンが演じたジョーカーのそれに酷似している!
ジョーカーの赤いスーツが紫に変わる時
赤いスーツを着てマレーのTVショーにジョーカーとして臨むアーサー。カーテンの前で待機する彼の全身に青い照明が当たり、ジャケットが紫色に見える。このシーンで初めて、ジョーカーの衣装は定番カラーである紫へと変わるのだ。
ブルース・ウェイン少年がしがみつくポール
ウェイン邸の門扉にてアーサーとブルース少年が対面するシーンで、ブルースがポール状のものにしがみついて地面に降りる描写が。60年代のTVドラマ版『バットマン』でブルースがポールを伝ってバットケイブに行くお約束へのオマージュだ。
特典で判明!ホアキン&スタッフ、入魂の製作日記
ホアキン・フェニックス、1日1個のリンゴで体重80kg→60kg以下に
「ジョーカーは痩身」というイメージを抱いていた監督は、ホアキンに大幅な減量を指示。ホアキンは撮影3カ月前でも減量する様子はなく、専門家に相談しては、との監督の助言も却下。その後1日リンゴ1個で夏中を過ごし、台本読み合わせの時点で60kg以下に体重を落として役に入り込んでいたという。
試行錯誤の末に生まれたダンス・シーン
アーサーが地下鉄での凶行の後、トイレに駆け込むシーン。監督と意見が合わずに行き詰まり、ホアキンがダンスを入れることを提案。監督が撮影前日に届いたジョーカーのテーマ曲を聞かせてあのシーンが生まれた。ダンスは『オズの魔法使』の案山子役で知られるレイ・ボルジャーを参考にしている。
ゴミ溜めと化したゴッサム・シティは81年のNY
街中にゴミがあふれ行政サービスが機能していないゴッサム・シティは、監督が11〜12歳頃に過ごした1981年のNYをイメージしたもの。マンハッタン育ちの美術スタッフが地区ごとの表情の違いや、出される場所(役所や住宅地、富裕層と貧困層が住む地域)によって変わるゴミの差異まで緻密に表現している。
ゴッサムの街並みはセット+CG
監督が坂や階段、路地、曲がりくねった街路のある場所を想定していたため、撮影地がなかなか見つからず、NYではなくニュージャージー州のニューアークでロケを敢行。セットにCGで荒廃感を加えている。ウェイン・ホールのある繁華街、ゴッサムスクエアはNYのタイムズスクエアで撮影した。
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2月7日(金)よりIMAX(R)、ドルビーシネマにて再上映決定!
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ワーナー・ブラザース ホームエンターテイメント
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