松本幸四郎&松たか子が『ライフ いのちをつなぐ物語』でナレーションに挑戦
『ディープ・ブルー』(03)や『アース』(07)など、数々の傑作ネイチャードキュメンタリーを手がけてきた英国放送協会(BBC)。そんな同局より地球上に住む全てのいのちの営みを描いた、新たなドキュメンタリー映画が登場。それが9月1日(木)より公開となる『ライフ いのちをつなぐ物語』だ。
製作費35億円、撮影日数3000日という途方もない労力をかけて作られた本作。その最大の特徴は、動物たちの目線から自然の雄大さを映し出していることで、これにより従来のネイチャードキュメンタリーとはひと味違った、新鮮な感動が味わえる内容に仕上がっている。そんな本作で、松本幸四郎と松たか子が親子で日本版ナレーションを務めることになり、その公開収録が行われた。
今作で、映画のナレーションに初挑戦した松本幸四郎は、「私の声を通すことで、作品の興奮と感動をより多くの皆さんにお伝えできればと思っております」と、自身の役どころに対する意気込みを語り、さらに「今回、ナレーションを引き受けたのには、3つの理由があります。1つ目は、動物たちの命をつなげていく姿に、親から子へ名が受け継がれていく歌舞伎界に通じるものを感じたから。2つ目は、この度の震災で被害にあわれた方々に対して。『ライフ』では、命をつなぐために必死になって戦う動物たちの姿が描かれるので、彼らの姿を通して、生きる活力を感じ取っていただければ幸いです。そして3つ目の理由は、そんな私の気持ちを汲み取って、娘が一緒にやろうと言ってくれたからです(笑)」と、この大役を引き受けた理由を明かした。
一方、もともとBBCのドキュメンタリー作品のファンだという松たか子は、「父と一緒にナレーションを行うというアイデアが面白そうだったので、お引き受けしました。それに、大好きなBBCの作品に携わりたいという好奇心もあったので。実際に親子でナレーションに挑戦したところ、芝居とは勝手が違うので最初はかなり苦戦しました。でも、息を合わせながら、バランスを考えて声を入れていく作業は面白く、ふたりで細かく打ち合わせをしながら取り組ませていただきました」と、収録時のエピソードを話してくれた。
息づかいが聞こえてきそうなほど動物たちに接近し、彼らの生態や自然とのつながりを映し出すことに成功した珠玉作『ライフ いのちをつなぐ物語』。本作鑑賞時は、映像の美しさだけでなく、松本幸四郎&松たか子親子による渾身のナレーションにも注目することで、よりいっそう自然の雄大さを堪能できるはずだ。【六壁露伴/Movie Walker】