【ランキングで振り返る『ウォーキング・デッド』の10年 Vol.5】ここなら暮らしていけるかも? 安全共同体ランキング

いよいよシーズン10後半の放送も始まり、また目が離せなくなってる『ウォーキング・デッド(TWD)』は、本年が放送開始10年目！ これまでの『TWD』をオリジナル・ランキングで振り返る第5弾は、引っ越しシーズン企画。シリーズに登場したコミュニティの「住んでもいいかも」度をランキング、「絶対住みたくない！」場所は除外して「ここならなんとか住める？」なコミュニティをランク付けしてみた。

このランキングが「住んでみたい」度にならないところが『TWD』の世界。決して住みたいわけじゃないけど、どうしてもこの世界で生きていかなくちゃならないとしたら、とりあえずココ？　そんな観点でこれまで登場した共同体を振り返ってみると…。

※以下ストーリーのネタバレがあります。

【第10位】ベスが収容された病院(シーズン5)

シーズン5で刑務所を出てダリルと放浪していたベスが、彼とはぐれて目を覚ますとそこは病院だった。ここは女性警官ドーン・ラーナーが独裁者的に支配していて、彼女に逆らうと殺されるし、命じられた労働をしなくちゃいけないけど、とりあえず、建物はしっかりしてるし、食料もある。他に行くところがなければ、ここ？

【第9位】総督のウッドベリー(シーズン3)

アンドレアとミショーンが捕まり連れて行かれたのが、総督が支配するヒルトップ。街も広いし、住民の数も多い。住みやすそうで、アンドレアも暮らす気になったほど。

でも、生きるための食糧や資源は、男たちが町の外から掠奪してるから、あまり未来はなさそう。それに、リーダーの総督が住民のことを大切に思ってないので、状況が悪化するとすぐ何か起きそうな。まあ、総督が娘をウォーカーから人間に戻すための実験をしているのは、住民に迷惑がかからなければ問題ないんだけど。

【第8位】グレゴリーのヒルトップ(シーズン6～9)

マギーが妊娠中に体調を崩した時に向かったのが、医師のいるヒルトップ。共同体には、医師だけでなく、鍛冶屋などの専門家もいるし、農産物も育てているし、外から新人を連れてくるスカウト係までいて、環境面、組織面とも充実している。

ただ問題は、リーダーがグレゴリーなこと。グレゴリーは“救世主”のいいなりになるだけなので、生活環境はどんどん困った状況になっていきそう。

【第7位】ディアナのアレクサンドリア(シーズン5)

住居も住民も多くて、設備は整っている感じ。リーダーのディアナは、元議員だけあって統率力もあり、全員を平等に扱おうとするし。でも彼女には、医師の家庭内暴力に目をつぶるような偽善者なところがあるから、あまり住みよい空気ではなさそう。

しかし、そんなことよりもっと大きな問題点がある。それは、ディアナを含めて住民たちが、共同体の外の状況を知らないことと、根拠もなく共同体が安全だと信じ切っていること。だから、リックたちの心配どおり、その信念が崩れるとガタガタになってしまう。

【第6位】リックの刑務所(シーズン3～4)

リックたちが見つけて、一時、住んでいた刑務所は、外部に高いフェンスがあり、建物も密閉性が高くて、ウォーカーたちの侵入を防ぎやすいのがいいところ。周りに土もあり、農作物も育てられるし、豚も飼える。

だから、総督たちの攻撃がなければ、わりと住むのにはいい場所だったのかも。ただ、もともとが刑務所なので、コンクリートの建造物だし、普通の家に比べると住み心地はやっぱりイマイチ？

【第5位】ミショーンのアレクサンドリア(シーズン9〜)

　アレキサンドリアは基本的にいい共同体なんだけど、リックがいなくなり、ミショーンがリーダーになった頃は、あまりいい雰囲気じゃなかったかもしれない。

ミショーンは、自分の共同体を守ることを最優先して、外部との交流を断つ。さらに、共同体に部外者が加わることも認めない。そういうふうに禁止事項が増えていく場所は、住みやすくはなさそう。もっともそれも、小さな子供たち、ジュディスやRJを守るためと思うとやむをえないのだけど。

【第4位】オーシャンサイド(シーズン7～)

タラが辿り着いた、浜辺で暮らす女性たちだけの共同体。以前は男女が共生していたが、“救世主”たちが男性メンバーを殺害し、生き延びた女性たちが新たな場所に作った。救世主から身を守るため、侵入者は殺すという掟があったが、タラが例外になり、リックたちと交流するようになる。

これまであまり細かく描かれていないが、“救世主”との戦いにも協力したし、海は近いし、暖かそうだ。住むなら居心地が良さそうなイメージがある。

【第3位】エゼキエルの王国（シーズン7～9）

シーズン9で寒波に襲われたため、王国のリーダーであるエゼキエルは住民全員を連れてヒルトップへ移動してしまった。が、エゼキエルの統治する王国は、かなり住みやすい場所だったような気がする。救世主に貢物をしていたとはいえ、農園はあるし、家畜はいるし、王の副官ジェリーはいつもニコニコ顔だし、何より住民たちが、虎を側に置く王様(実は元動物園の飼育係だけど)を敬愛している。あのキャロルが、一時的とはいえ王と一緒に暮らしたくらいだから、住みやすいに決まってる！

【第2位】マギーのヒルトップ(シーズン7～）

　ヒルトップは、人員も設備も充実した共同体だし、マギーは、リーダーとして安心なキャラなんじゃないだろうか。彼女は正義感が強いし、弱い者を見捨てないし。ただ、愛するグレンのこととなると、いつもの冷静な判断力を失ってしまうのがタマにキズ。そこだけ気をつけていれば、気持ちよく暮らせそうな気がする。

　ちなみにシーズン9の途中から姿を消したマギーが、シーズン10後半で復帰するという噂も。ヒルトップから、ジーザスもタラもいなくなった今、早くマギーに帰ってきてもらわないと！

【第1位】リックのアレクサンドリア（シーズン7～9）

ニーガンとの戦いが終わっても問題は山積みだった。元救世主たちは、共同作業に協力的じゃないし、各共同体間の連携も、まだうまく行っていない。しかし、シーズン9のリックには「お互いに殺し合わなくても生きていける世界を目指す」という信念があり、それに向かって動いていた。もしもこの信念に賛同できるなら、多少ツラいことはあっても、いちばん生きていきやすいのは、この共同体なんじゃないだろうか。

しかし、リックは謎のヘリコプターに乗せられ、連れ去られてしまった…。こうなったら、彼が主人公だという劇場版を待つしかない！

「住んでもいい場所」を見つけようと思うとなかなか悩んでしまうのが『TWD』の世界。逆に「絶対に住みたくない場所」なら、一瞬で答が決まるかも。シーズン4の終着駅で、食用人肉になるのは避けたい。シーズン6のニーガンが支配する聖域は、能力に合う仕事を与えられるとはいえ、やっぱり身体能力が高くないと生きにくい気がする。シーズン7のジェイディスが仕切ってるクズ鉄山は規則が厳しそうだし、生活もキツそう。でもそういう場所でも、一人で放浪してるよりは生存率が高くなるのかも……なんて思ってしまう『TWD』の世界、恐るべし。

文/平沢薫