『SHIROBAKO』木村珠莉が思い描くみゃーもりと新キャラの関係性「2人で作品を作っていくところも見てみたい」
「(あおいは)かなりのアメと鞭の使い手になっています」
テレビシリーズでは、ムサニが元請けとして「えくそだすっ!」「第三飛行少女隊」を制作し、無事に最終回を迎えた姿が描かれた。劇場版ではさらに躍進したムサニが見られるのかと思いきや…。ある出来事がきっかけで主要なスタッフがいなくなるなど、すっかり落ちぶれてしまったところから始まる。
「劇場版が決まった時はすごくワクワクしていたのですが、台本を読んでその気持ちがぶち壊されました(笑)。テレビシリーズと同じく、スタッフみんなで完成したアニメの放送を観るシーンがあるのですが、今回は状況が全然違っていて、悲しい気持ちになりましたね…」
しかしそんなムサニに、劇場版アニメ制作の話が舞い込んでくる。その中心人物としてチームを引っ張るのは、木村が演じるあおいだ。「やるべきことが決まって、一気にエンジンがかかり、アニメ作りに取り組んでいく姿がうれしかったですね。宮森さんはテレビシリーズでは変顔をしたり、派手なリアクションを取るなど、コメディリリーフなキャラクターだったのですが、今回はすごく頼もしくなっていますよ。(制作進行の先輩の)矢野さんや(ベテランアニメーターの)杉江さんたちに助けてもらっていたのが、劇場版ではあおいがプロデューサーになり、ほかのスタッフを先導していきます。監督を尻に敷いた感じや冷静に状況判断しているのが、本当に成長したなと感じますし、かなりのアメと鞭の使い手になっています(笑)」
「何か壁にぶつかっているのならそれを乗り越えるヒントがもらえる作品」
劇場版には、アニメの企画・プロデュースを行うウエスタンエンタテイメント所属のアシスタントプロデューサーで、あおいと抜群(?)のコンビプレーを見せる新キャラ・宮井楓が登場する。
「宮井さんはすごく仕事ができて、しっかりした女性。宮森さんとは出会ってすぐに焼肉屋さんで食事をするのですが、そこでお酒を飲んでべろんべろんに酔っぱらってしまって、仕事や上司への愚痴を言い合うんです(笑)。でも、宮森さんにとって初めての社外の同志というか、似た境遇を分かち会える人でもあると思うんです。劇場版ではパートナーのような関係で活躍するので、続編があるなら、二人がタッグを組んで作品を作っていくところも見てみたいです」
テレビシリーズでは、あおいが“なぜアニメを作るのか?”というテーマに悩み、答えを見つけようとする姿も描かれた。そして、一つの目標に向けて大勢が一途に努力する光景は視聴者に、前へ進む活力を与えたはず。
「アニメーション業界が舞台の作品ですが、仕事をしていくうえでのモチベーションになったり、いま何か壁にぶつかっているのならそれを乗り越えるヒントがもらえる作品だと思います。劇場版『SHIROBAKO』は、テレビシリーズから観ていた人にとって胸がいっぱいになるシーンが散りばめられていますし、何度も勇気をくれる作品です。これから作品をご覧になる方には、宮森さんたちがどのように立ち上がっていくのかをぜひ見守っていただきたいです!」
取材・文/トライワークス(平尾嘉浩)