坂口健太郎&永野芽郁、兄妹のような関係性明かす「大変な現場は隣に“健兄”がいてくれる」

インタビュー

坂口健太郎&永野芽郁、兄妹のような関係性明かす「大変な現場は隣に“健兄”がいてくれる」

坂口健太郎と永野芽郁が『仮面病棟』でタッグ!
坂口健太郎と永野芽郁が『仮面病棟』でタッグ!撮影/河内彩

現役医師である知念実希人によるミステリー小説を映画化した『仮面病棟』(3月6日公開)で、坂口健太郎と永野芽郁が久々に映画共演を果たした。2人を直撃すると、「坂口さんはお兄さんのよう」(永野)、「はい、アニキです」(坂口)と息ぴったり。人生での“ピンチ脱出法”についてもお互いに「“なんとかなる精神”を大事にしています」と共感し合うなど、ポジティブなマインドも一致する彼らに、撮影秘話を明かしてもらった。

【写真を見る】永野芽郁、坂口健太郎を背中に乗せてヨイショ!2人で笑顔を弾けさせた
【写真を見る】永野芽郁、坂口健太郎を背中に乗せてヨイショ!2人で笑顔を弾けさせた撮影/河内彩

本作は、ピエロの仮面をつけた凶悪犯に占拠された病院を舞台に、一夜限りの当直医の速水(坂口)と、凶悪犯に撃たれてケガを負った女子大生の瞳(永野)が、危険な密室と化した病院から脱出を試みる姿を描くミステリー映画。

「速水の感情を丁寧に表現したかった」(坂口)

トラウマを抱えた医師を演じた
トラウマを抱えた医師を演じた[c]2020 映画「仮面病棟」製作委員会

謎を追ううちに次々と病院にまつわる秘密が明らかとなるなど、衝撃のクライマックスまで、スリリングな展開で観客を釘付けにする。原作や台本を読んでも「すごくおもしろかった」と声を揃える2人。

坂口は「スピード感にあふれていて、あっという間に読み終わってしまって。これを人間が肉体を持って表現することは、すごく大変かもしれない。でもきちんと形になったら、とてもおもしろいものになると思った」と展開に圧倒されたという。演じたのは、婚約者を亡くし、喪失感を抱えた医師の速水。スピード感あふれる物語とはいえ、速水の感情を丁寧に表現することを心がけた。「速水は序盤ではトラウマを抱えていて、徐々に医者としての気概を取り戻していく。物語の前半と後半で、全然違う人間に見えてしまってはいけないと思っていました」。

先の読めない展開に釘付け!
先の読めない展開に釘付け![c]2020 映画「仮面病棟」製作委員会

「原作を先に読んだ」という永野は、「私はこれまであまりミステリーに触れてこなかったのですが、こんなにも作品世界に入り込んで読める本があるんだと思って。そう思える作品に、自分が参加できることもとてもうれしかったです」と感激しきり。「いままでに挑戦したことのない雰囲気の作品でしたし、役柄もすごくやりがいのある役だなと思って。できるかなという不安もありましたが、いまやるべき役だなと思って飛び込みました」。

2019年9月に20歳となった永野にとっては、本作は成人して初めて撮影した作品となる。永野は「20歳になってもそんなに気持ちのうえで変わることはないのかな?と思っていたんですが、思った以上のたくさんの方から『おめでとう』と言ってもらい、自分以外の人も喜んでくれるのを感じて。『ああ、20歳になったんだな』と思った」と振り返る。

「本作のクランクインは、誕生日を迎えたすぐあとだったんです。責任感やその場にいられることのありがたさなど、いろいろなことを改めて考え直して入ることができた現場です。これからもきっと、節目に思いだす作品になったんじゃないかなと感じています」と特別な作品になった様子で、坂口は「そんな作品でご一緒できて光栄です。20歳初めての映画なんて、人生で一度しかないからね」とニッコリ。「僕は20歳のころからモデルをやっていますが、20歳の誕生日はなにをしていたかなあ。当時を思いだすと、めちゃくちゃバイトをしていたなと…」と続けると、永野は「バイト経験あるんですね!なんのバイトを?」と興味津々に目を輝かせていた。

「大変な現場の時には、いつも隣に“健兄”か鈴木亮平さんがいてくれる」(永野)

「坂口さんはお兄さんのよう」
「坂口さんはお兄さんのよう」撮影/河内彩

坂口と永野の映画共演は、『俺物語!!』(15)以来のこと。「また共演できることがうれしかった」と笑顔を弾けさせる2人は、兄妹のような関係なのだとか。坂口は「なにか撮影をしていると、“隣のスタジオに芽郁がいる”ということがよくあるんだよね」、すると永野も「大変な現場の時は、なぜか隣のスタジオに“健兄”(坂口)か、(鈴木)亮平さんがいてくれる。朝ドラの時は隣のスタジオに亮平さんがいて、『3年A組 ―今から皆さんは、人質です』の時は隣のスタジオに“健兄”がいて」と『俺物語!!』で共演した2人との不思議な縁を告白。

脱出できるのか…!?『仮面病棟』は公開中
脱出できるのか…!?『仮面病棟』は公開中[c]2020 映画「仮面病棟」製作委員会

本作では助け合って脱出を目指す間柄を演じたが、撮影中は「お互いの存在にたくさん助けられた」と語る。坂口は永野の“癒し力”に感謝し、「ニコニコとする場面もほとんどありませんし、どうしても張り詰めたシーンが続く。カメラが回っていない時の雰囲気が作品にも出るとすれば、カメラが回っている時の雰囲気も、やっぱり現場には影響するもので。現場はキツいものになるかもしれないなと思っていたんですが、やっぱり(永野が)現場にいてくれると、すごく和むんですよ。芽郁との共演だと思うと、すごく安心感がありました」。

永野は、本作で映画単独初主演を務めた坂口の“座長ぶり”に言及。「すごく頼もしかったです。時間もあまりないなかで撮影が進んでいましたし、緊張感のあるシーンも続く。でも坂口さんはいつも誰よりも明るくいてくれて、スタッフさんとキャストの間をつないでくれるのも、坂口さんでした。実際の病院を使っての撮影で、病院のなかも暗かったんですが、撮影外の時はいつも明るい気持ちでいられた。坂口さんのおかげです」。永野からの絶賛の言葉に照れ笑いを見せた坂口は、「そんなに単独初主演だと意識していたわけではないのですが、今回はミステリーということもあって、俳優部のなかでもある種の共通認識が必要だと思っていました。だからこそ、会話をしたり、コミュニケーションをとることを大切にしてたように思います」と語っていた。

「僕は楽観的なんです」(坂口)、「朝ドラ、もう一回やりたい!」(永野)

ポジティブマインドを明かした
ポジティブマインドを明かした撮影/河内彩

挑戦する役の幅も広げ、役者としての輝きを増し続けている2人。人生のピンチを“脱出”するための秘策はあるだろうか?坂口は「この仕事をしていると、危機だなと感じることも多くない?」、永野は「坂口さんはよく大変な作品をやられていますもんね。身体を使う役だったり、専門用語を覚えなくてはいけない役だったり」と答え、2人で大爆笑。坂口が「でも芽郁も朝ドラとか、本当に大変だったでしょ?」と尋ねると、永野からは「本当に大変でした。でもいまでは『もう一回やりたいな』と思っちゃう!」と頼もしい言葉が飛びだす。

一体、その原動力はどこから生まれてくるのだろう。永野は「大変だったことはすぐに忘れてしまって、楽しい記憶だけが残っている。楽しい思い出を残すことができるのは、私の強みかもしれないですね。ストレスが溜まっても、泣いたら、それで終わり!ポジティブなんです」とさわやかな笑顔を見せ、坂口も「いいね!」と楽しそう。そして「でも僕も同じだな。『疲れたな』と肉体的なストレスを感じることはあるけれど、精神的にはあまりストレスが溜まらないんです。楽観的なんですよね。いつも『なんとかなる』という精神を大切にしています。もしなんとかならなかったとしても、きっとそれも含めて、いい経験になるんだと思う。以前よりもっと、そうやって考えられるようになりました」とさらに前を向いていた。

「“なんとかなる精神”が大事!」と共感
「“なんとかなる精神”が大事!」と共感撮影/河内彩

取材・文/成田 おり枝

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