佐藤健が緋村剣心に!ジャンプの人気剣客漫画「るろうに剣心」が遂に実写映画化
1994年から1999年に週刊少年ジャンプで連載され、単行本全28巻の累計発行部数が5000万部を超える和月伸宏の剣客漫画「るろうに剣心」が、佐藤健主演で実写映画化されることが明らかとなった。
コミックは世界23ヶ国で翻訳され、連載中の1996年にはテレビアニメ化(全94話+特別編)、剣心の声を元宝塚の涼風真世が当てるなど、一大ブームを巻き起こした。今年はテレビアニメ化15周年を記念したOVA、劇場版のブルーレイ化や、新作アニメの制作が決定するなど、今なお世界中で愛されている作品だ。
実写映画化の話はこれまでに何度となく持ち上がったものの、困難を極め、実現することはなかった。今回の実写映画化にあたっては、約3年前から準備を始め、ようやく実現に至ったという。その理由の一つが緋村剣心を演じる佐藤健の存在だ。プロデューサーの松橋真三は「剣心というキャラクターは過去の業を引きずりながらも、愛くるしい笑顔が魅力で、ジャンプの中でも最も愛された作品の一つ。女性読者も多かった。自らの宿命と対峙しながらも決して暗くならず、周りを安心させる笑顔ができる役者は佐藤健しかいない」と語る。
物語は、明治維新のために伝説の人斬りとしてすごした剣心が、維新以後、殺さずの誓いを立て、町から町へ流浪の旅を続けているところから始まる。緋村剣心はコミックオリジナルキャラだが、実在した維新志士、岡田以蔵や河上彦斎を彷彿とさせる。大河ドラマ「龍馬伝」に岡田以蔵役で出演した佐藤は今回、主人公の緋村剣心を演じることについて、「『龍馬伝』で演じた岡田以蔵役では、心を無にして以蔵という役を生きることに集中していましたが、今回の剣心という役は原作のある作品で、誰もが知っているキャラクターだからこそ、役を生きるだけでなく、見せる演技が問われていると思います。ディテールにもこだわって、スタッフさんと剣心像を作っていきたいと思います。一生懸命頑張りますので、是非期待してください!」と意気込みを語った。また原作者の和月伸宏も、「企画が動き始めた頃、妻と『主役の剣心は誰が良いかな?』と話したところ、一番に挙がったのが佐藤健さんでした。なので決定した時は本当に驚き、それ以上に嬉しく思いました」とコメントを寄せている。
メガホンを取るのは、大河ドラマ「龍馬伝」を演出した大友啓史。今年4月に20年間在籍したNHKを退職、フリー第1作目の監督作品となる。今回のオファーに「原作をリスペクトしつつ、より楽しんでいただけるよう、映画ならではの魅力あふれる世界観を作っていきたいと思います。幕末から明治へと時代が変わりゆく中、登場人物たちは変革を楽しみ、激動のうねりの日々を生きていきます。殺さずの誓いを立てた人斬りの剣心、彼が斬れない刀一本でいったいどうやってその時代を切り開いていったのか、迫力あるアクションとともに上質のエンターテインメントをお見せします」と自信をのぞかせた。
剣心以外のキャストや、コミックのどの部分を映画化するのかなど、まだまだベールに包まれた本作だが、制作総指揮を務めるワーナーのウィリアム・アイトンは『ハリー・ポッター』シリーズが最終章を迎えるにあたり、「額に傷のあるハリーと、頬に傷のある剣心、どちらも心優しく、どんな時でも最後は期待に応えてくれる。『るろうに剣心』はまさに邦画の『ハリー・ポッター』になる可能性を秘めている」とシリーズ化をも念頭に入れたコメントを発している。本作は7月にクランクイン、京都を中心に撮影を行い、2012年公開を目指している。【Movie Walker】