【今週の☆☆☆】童貞を捨てたい3人組が大奮闘!『スーパーバッド 童貞ウォーズ』に登山家の衝撃的な実話をもとにした『127時間』…週末観るならこの作品!
Movie Walkerスタッフが、週末に観てほしい映像作品を(独断と偏見で)紹介する連載企画。今週は、映画ライター陣が”いまこそ家で観たい”オススメ映画をピックアップ。好きな子との初体験を目指して奮闘する童貞3人組の青春コメディや、渓谷に落ちた登山家の壮絶な127時間を描いたドラマなど、バラエティあふれる2作品がそろった!
下品ネタ満載だけど、笑ってちょっぴり泣ける青春コメディ!『スーパーバッド 童貞ウォーズ』(07・劇場未公開)
自粛しているこんな時は、青春時代に戻った気分で、なおかつ爆笑できるコメディ作品をオススメ!本作は、コメディ俳優セス・ローゲンと脚本家で映画監督のエヴァン・ゴールドバーグが高校生時代に実際に体験したことをもとに描いた青春コメディ。そのため、主人公の3人の名前は、脚本を担当したセスとエヴァン、そして2人の友人の名前がそのまま使われている。冴えないオタクでまったくモテない童貞のセス(ジョナ・ヒル)、エヴァン(マイケル・セラ)、フォーゲル(クリストファー・ミンツ=プラッセ)は初体験に思いを馳せる高校生。高校卒業を目前に控えるなか、同級生の女子からパーティへの誘いを受ける。未成年のためお酒が買えないながらも、見栄を張ったセスはお酒の調達係を引き受ける。しかし酒を買おうとした店で変わった警察官と出会ったことをきっかけに、3人は大変な状況に巻き込まれてしまう。果たして、無事酒を買い、念願の初体験を迎えられるのか…?思い通りにいかなかったけれど、高校卒業と共に離ればなれになってしまうため、気の合う友達との楽しく過ごした日常もあとわずか…というエモーショナルな要素を、下品な下ネタを随所に散りばめながら描いており、思いっきり笑いながらも最後にはちょっとホロっとくる1作。深刻にならずに気軽に観始めると、最後にはちょっと感動するいい話にまとまっていくバランス感覚が素晴らしい。今や大女優となったエマ・ストーンの、デビューしたての初々しい姿を観ることができる点も大いに見所となっている。(映画ライター・石井誠)
谷底に落ち、岩に腕を挟まれた登山家がとった衝撃的な決断とは…『127時間』(10)
自宅での自粛生活に孤独や寂しさをつのらせている人は少なくないと思う。そんな方にお勧めしたい本作。DVDリリース間近の近作『イエスタデイ』(19)も注目のダニー・ボイル監督が、2010年に生み出した実話に基づくサバイバル・ストーリーだ。ひと気のない渓谷で岸壁と岸壁の間に落下し、落石に右腕を挟まれて身動きできなくなった登山家。彼はどのようにして奇跡の生還を果たしたのか?ナイフで岩を削ることもできず、助けの声は誰にも届かない。飢えと渇き、孤独、そして死の恐怖。そんな極限状態に加え、本作は主人公がなにを考え、なにを決意するに至ったのか?という、心の軌跡を描き出す。やりたいことをやってきたが、家族を顧みず、人づき合いもおざなりだった…そんな自己中心的な生き方が、この瞬間の危機と直結していると悟る主人公。そう、これは単なる英雄談ではない。人生を振り返り、さらに先に進もうとする者の自省と決意のドラマなのだ。(映画ライター・有馬楽)
週末に映画を観たいけれど、どの作品を選べばいいかわからない…という人は、ぜひこのレビューを参考にお気に入りの1本を見つけてみて!
構成/トライワークス
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■『127時間』
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