『ニッポンノワール ー刑事Yの反乱ー』が叩きつけた日本ドラマ界への挑戦状
『今日から俺は!!』『あなたの番です』『3年A組 ー今から皆さんは、人質ですー』など数々のヒット作を世に送り続けている日本テレビ系「日曜ドラマ」枠。昨年末に同枠で放送されて話題を呼んだ『ニッポンノワール ー刑事Yの反乱ー』のブルーレイとDVDが5月20日(水)にリリースされる。
数か月間の記憶を失った刑事の清春(賀来賢人)が、殺された女性刑事の死の真相や彼女が追っていた10億円強奪事件の謎に迫るうち、“ニッポンノワール”と呼ばれる地下組織の存在に辿りつく。『3年A組』の福井雄太プロデューサーと脚本家の武藤将吾が再び組んだ本作は、TVドラマの常識を覆すミステリーだ。警察の地下組織が絡んだ殺人事件の真相を巡る大スケールの謎解きや、コンプライアンス度外視の過激なアクション&バイオレンスなどは、従来の作品とは一線を画す。賀来賢人をはじめ、広末涼子、井浦新、北村一輝ら豪華キャストのアンサンブルにも注目だ。日本ドラマ界に新たな風を吹き込んだ本作の魅力を解析していこう。
複数の事件が絡み合う予測不能なストーリー
清春は上司だった碓氷(広末)を殺害した犯人を追うが、容疑者たちは次々に不可解な死を遂げていく。清春が犯人という可能性を否定できないまま、10億円強奪事件やニッポンノワールによる人体実験の真相究明も同時に展開。巧みに伏線が張られたストーリーはラストまで先が読めない。
裏切り者はこの中に! 型破りな登場人物
清春以外にも警察関係者はクセ者ばかり。「Look at me」が口癖の才門(井浦)はつかみどころがなく、何やら上層部と駆け引きをしている捜査一課長の南武(北村)も怪しい。彼らの些細な言動にも要注意だ!
SFや家族ドラマなど多彩なジャンルが融合
事件の黒幕を追うミステリーを軸に、派手な格闘&銃撃戦が毎話描かれ、終盤には強化人間が出現。一方、碓氷の息子と清春の心暖まるドラマやお調子者の名越(工藤阿須加)によるコメディ要素が、緊張感を和らげる。
妥協なしのアクション描写
普通のドラマでは避けがちな過激なバイレオンスは本作ならでは。賀来&工藤が体を張って演じた、清春と名越が殴り合い暴れ回る第1話から、既存の刑事ドラマの型を打ち破ろうスタッフ&キャストの気概がひしひしと感じられる。
賀来賢人のハードボイルドな演技
『今日から俺は!!』などのコミカルな役の印象が強い賀来だが、違法な捜査もいとわない男臭い刑事を熱演し、そのイメージを一新。清春のビジュアルはヴィンセント・ギャロを参考にしたという。
『3年A組』と密接にリンク
『3年A組』で起きた立てこもり事件から半年後を舞台としている本作では、片寄涼太らが扮する『3年A組』のキャラクターが各話に登場し、物語のキーマンに。世界観が同じ作品同士だからこそ可能なマーベル・シネマティック・ユニバースのような展開は、ドラマでは斬新だ。
セルBOXの特典には、キャラクター解説やアクション・シーンの舞台裏など全5章で構成された大ボリュームのメイキング、そして事件の詳細を真犯人と碓氷それぞれの視点から語るHuluオリジナルストーリー「刑事Nの告白」「刑事Uの告白」を収録。一度観ただけでは、全貌をつかみづらい本作を、パッケージではより深くまで楽しめることができるだろう。
文/DVD&動画配信でーた編集部
5月20日(水)発売
DVD-BOX(1万9,000円+税)
Blu-ray BOX(2万4,000円+税)
発売・販売:バップ