恋をするのって素敵! 『コクリコ坂から』舞台挨拶に長澤まさみらが登壇
『ゲド戦記』(06)以来、宮崎吾朗監督にとって5年ぶりの作品となるスタジオジブリ最新作『コクリコ坂から』。その初日舞台挨拶が7月16日、TOHOシネマズ スカラ座で行われ、長澤まさみ、岡田准一、石田ゆり子、柊瑠美、内藤剛志、風間俊介、香川照之らキャスト陣と、主題歌を歌う手嶌葵、そして宮崎監督が登壇した。
本作の舞台となるのは1963年の横浜。劇中では、まっすぐに生きる高校生の少女・海と少年・俊の青春や、その親の世代のエピソードを通して、高度成長期の中で生きる日本人の姿が、ノスタルジックなタッチで描かれている。
高校生でありながら下宿屋を切り盛りする、しっかり者のヒロイン・松崎海を演じた長澤は「小さい頃からスタジオジブリ作品の大ファンだったので、現場に参加できたことや、主人公の声を担当できたことが、本当にうれしかったです。『コクリコ坂から』は、言葉の大切さや、思いを伝えることの大切さが、しっかりと描かれている作品です。皆さんにもこの映画を通して、人生って楽しい!恋をするのって素敵!という気持ちになってもらえるとうれしいですね」と、作品が完成した喜びを語った。
そんな海と惹かれ合う少年・風間俊を演じた岡田は「宮崎監督には『ゲド戦記』に続いて声をかけていただいたので、撮影中は「この期待には何としても応えないと!」という気持ちで取り組みました。俊はちょっと不器用なところがある高校生なんですけど、プロデューサーの鈴木敏夫さんからは「高倉健さんのイメージでやってくれ」と言われまして。かなり混乱しながら役作りをしたのは良い思い出です(笑)」と、収録時の苦労話をコメント。
また、主人公たちが通う高校の生徒会長である、学校一の秀才・史郎役の風間俊介は「僕もスタジオジブリ作品の大ファンなので、『もののけ姫』(97)のサン(石田ゆり子)と『千と千尋の神隠し』(01)の千尋(柊瑠美)と共演できたのが最高にうれしかったです。ちなみに現場では、岡田君の演じた風間俊と僕の名前がそっくりだったので、監督から「風間君」と呼ばれても、どっちのことか分かれず、戸惑ってしまうことが結構ありました(笑)」と語り、会場を沸かした。
そして宮崎監督は「この作品のキャンペーンで、東北の被災地にも行かせていただいたのですが、現地ではまだまだ復興の兆しが見えず、苦労されている方が大勢いらっしゃいました。その方たちにも『コクリコ坂から』を観てもらって、少しでも元気になってもらえたら幸いです」と語り、舞台挨拶を締めくくった。
ありふれた日常を舞台にしながらも、個性的なキャラクターが多数登場し、胸躍る物語が展開していく『コクリコ坂から』。当時の横浜を知る往年の映画ファンはもちろん、いまいちピンとこない若い世代でも、劇中に登場するさまざまな風景を観れば、懐かしい気分に浸れ、きっと心も癒されるはず。【六壁露伴/Movie Walker】