遠藤久美子、16年間所属した事務所から独立!「きっかけは東日本大震災」と心中を初告白
長編主演映画『五日市物語』の公開が控える女優の遠藤久美子がインタビューに応じ、今年の7月7日に16年間所属していた事務所アイントを退社し、独立したことを明かした。遠藤は「自分の足で地に立っているという感覚を味わいながら、進んでいく時期があっても良いのかも」と現在の心境を初めて語った。
“エンクミ”の愛称で呼ばれ、天真爛漫な少女のような雰囲気と、明るい笑顔でアイドル的人気を博した遠藤も今年で33歳。17歳からタレントとして活躍していたが、「常に将来の不安と隣り合わせだった」と笑顔の下には人知れず不安を抱えていた。そんな中、2002年に初めて舞台に出演したことで「芸能人になりたいと思っていたけれど、初めて女優になりたいという目標が生まれたんです」と気持ちの変化を経験。しかし、さらに続けていくうちに「自分と向き合うことが多くなって、自分には芸能界の仕事が向いていないと考えるようになってしまって」と心が晴れない日々を過ごすこともあった。
自身の方向性に迷っていた最中の3月11日、東日本大震災が発生。仕事の合間を縫って、被災地へボランティア活動で訪れた際に目にしたのが、家も家族も奪われた子供たちの姿だった。東北には遠藤の親戚や親友も多く、身元確認もできない状況に呆然となってしまったという。その時、「これまで事務所や家族に守られてきた私が、全てを失った時に自分の足で歩くことができるのだろうか」と自問。事務所の社長とも話し合いをし、「自分を厳しい状況に置くことで、芸能人としても人間としても成長していきたい」と独立を決意した。
独立して早1ヶ月。「パソコンやファックスの準備、それにドメイン取得に名刺作成、請求書の書き方など、個人事業主としての基本的なこともわからなかった」と、初めて尽くしに悪戦苦闘の日々を送っている。今後の活動について遠藤は「これまでよりは仕事のペースが遅くなってしまうかもしれないけれど、ドラマや映画、声優としても活躍できれば。いつか誰かを守れるような存在になっていきたいですね」と笑顔を浮かべた。
そんな遠藤が「独立へのスタートラインになった作品」と、思いを込めるのが、東京・あきる野市の市制15周年記念映画『五日市物語』だ。「町興し映画ではあるけれど、歴史を背景にした人間ドラマでもあるんです。自分の生まれ育った土地を見つめ返すきっかけになれば嬉しいです」と劇場公開を心待ちにしている。
『五日市物語』は10月29日(土)よりワーナー・マイカル・シネマズ日の出で先行公開、11月12日(土)から銀座シネパトス・立川シネマシティほかにて公開される。【Movie Walker】