新しい一面を知ってほしい! 深田恭子が魔性の女を演じるラブストーリーが完成
大ヒットドラマ「ガリレオ」や「新参者」をはじめ、『手紙』(06)、『さまよう刃』(09)、『白夜行』など、著作の多くが映像化され、幅広い層から支持されている人気作家の東野圭吾。そんな東野が初めて恋愛をテーマに執筆した意欲作「夜明けの街で」が、このたび映画化されることになり、その完成報告会見が8月11日、都内で行われた。会見には、岸谷五朗、深田恭子、木村多江と若松節朗監督が登壇した。
本作は、幸せな家庭と社会的な地位に恵まれた男が、ミステリアスなヒロインと出会ったことで不倫の恋に溺れていく様を描いたラブストーリー。妻子ある身でありながら、禁じられた恋にのめり込んでいく主人公・渡部を演じた岸谷は、「この映画は、非常に繊細な感情の流れを描いた作品なので、撮影中は心の変化をきちんと表現することに気をつけました。どのシーンも神経をすり減らしながら挑んだので、撮り終わった時は本当に疲れましたね。無事にクランクアップできて本当に良かったです」と、撮影時の苦労話を交えながら、作品が完成した喜びを語った。
そんな主人公を破滅へと誘う、悲しい過去を秘めたヒロイン・秋葉を演じた深田は、「この役を演じることは、私にとっても大きな挑戦でした。秋葉というキャラクターを通して、深田恭子の新しい一面を知ってもらえると嬉しいです」とコメントし、夫への愛情が次第に困惑へと変わっていく妻・有美子を演じた木村は「『こんなに良い奥さんがいるのに不倫するなんて、主人公はなんて馬鹿なんだ!』と思ってもらえるよう、精一杯、良い妻を演じました(笑)」と語り、会場を沸かせた。
そして、これまでにも『ホワイトアウト』(00)や『沈まぬ太陽』(09)といった、数々の大作映画を手がけてきた若松監督は「この映画は、いかにも不倫をしてそうな男ではなく、絶対にしなさそうな誠実な人間が深みにはまり、抜け出せなくなってしまうところが見どころです。そういう意味では、岸谷さんはまさに最適な俳優さんでした。劇中では、いろんなポジションから不倫という現象を描いているので、男女を問わず、自分の視点で作品の世界観に没頭できるはずです」と語り、本作のできばえに自信をのぞかせた。
緻密な心理描写と複雑に絡み合った人間ドラマで、多くのファンを魅了してきた東野圭吾が贈る、初の本格ラブストーリー『夜明けの街で』は10月8日(土)から全国公開となる。今のうちに原作小説も読んでおけば、映画を見る際、その世界観をより深く楽しむことができるはずだ。【六壁露伴/Movie Walker】