一度はまればやみつきに!? アート・アニメ界の巨匠が描く18禁アニメの中身とは
アートアニメーションの巨匠、ヤン・シュヴァンクマイエル監督の5年ぶりの長編映画『サヴァイヴィング ライフ 夢は第二の人生』が8月27日(土)より公開される。シュヴァンクマイエル監督は、粘土や人形、写真などを使用したストップモーションアニメーションの手法を用いて、1960年代から短編アニメやミュージックビデオ、長編映画を製作。シュールでグロテスクだけど、ユーモアにあふれた映像は、欧米だけでなく日本にも多くの熱狂的ファンを持っている。本作の日本初上映となった今年の恵比寿映像祭では、2回の上映プログラムが完売するなど、人気は衰えるどころか、今も新たなファンを生み出し続けている。
最新作は、タイトルが示すように、夢がテーマ。うだつのあがらない中年男性を主人公に、夢の中で出会った美しい女性の正体と、その夢の意味を探っていくという物語だ。実写と写真をミックスした独創的なアニメでありながら、意外なことに本作は18禁なのだ。女性のヌードや、大胆なセックスシーンが盛り込まれていることが、18禁の理由とのことだが、作品全体から漂うのは、ストップモーションアニメの温かみのある質感と、誰もが考えたことのある夢というモチーフを、独創的なコラージュで映像化した芸術性の高さだ。
CGや3Dなどのデジタル映像が浸透している昨今の映画界。最新技術とは一線を画して、アナログな手法で生み出されるシュヴァンクマイエル作品は、一度はまればやみつきになることは間違いないだろう。未見の方は是非ともスクリーンでシュールな世界観に浸ってほしい。【トライワークス】
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