マドンナ監督作『W.E.』、ヴェネチアでの評価は賛否両論

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マドンナ監督作『W.E.』、ヴェネチアでの評価は賛否両論

ヴェネチア国際映画祭でマドンナの監督作『W.E.』(全米12月9日公開予定)がプレミア上映されたが、メディアや評論家の反応は賛否両論のようだ。

同作は英国のエリザベス女王の伯父にあたるエドワード8世とウォリス・シンプソンの“世紀のロマンス”と言われた関係と、現代を生きる女性の物語とを交錯させて描いた意欲作。エドワード8世は、今年のアカデミー賞受賞作『英国王のスピーチ』の主人公ジョージ6世の兄であり、映画中にも登場していたことから、話題性は十分だ。しかし、世紀のロマンスの本国、英国のメディアの『W.E.』への評価には手厳しいものもある。

「精巧に作られた美しい映画」と評価するデイリー・メイル紙のような新聞もある一方で、ガーディアン紙のレビューでは星の数はたった1つであり、「着飾ってにやにやしている愚か者のような、孔雀になろうとしている七面鳥のような映画。何とばかばかしい、見せかけだけの、致命的に扱いを間違った映画だろうか」と激辛の批評を掲載している。テレグラフ紙は「予想していたよりも良かった。大胆で自信にあふれた作品だが、面白いシーンが全くない」と評価し、映画ライターのガイ・ロッジは「マドンナがどれだけ愛や歴史や人間性、そして物語を語るということについて知らないかを露呈する映画。衣装は綺麗だけど」とツイッターに書いている。

一方、記者会見の席に登場したマドンナは、映画を監督しようと思った経緯には、ふたりの元夫たち、ショーン・ペンとガイ・リッチー監督からの励ましがあったことを明かしている。「私は創造的な人々に惹かれます。だからショーン・ペンとガイ・リッチーと結婚しました。ふたりとも、私が映画を撮ることを勧め、創造的な人間になるように励ましてくれました。彼らはとても協力的でした」と語ったと英BBCニュースが伝えている。【UK在住/ブレイディみかこ】

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