御年89歳のアラン・レネ監督が贈り出す『風にそよぐ草』予告編を公開

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御年89歳のアラン・レネ監督が贈り出す『風にそよぐ草』予告編を公開

1948年にデビューして以来、その革新的手法で映画史に数々の名作を残してきたフランスの巨匠アラン・レネ監督最新作『風にそよぐ草』(原題『Les Herbes Folles』)が12月17日(土)より公開を迎える。

本作は第62回カンヌ国際映画祭で審査員特別賞及び特別功労賞を受賞した、芳醇なワインのごとき大人のための恋愛映画だ。しかしながら、本作は凡百の恋愛作品ではない。それらとは一線を画し、観客はサスペンスあふれる謎めいたオープニングにわくわくし、なかなか噛み合わない男女の思いから生まれる喜劇的状況に微笑み、妄想を募らせる主人公にはらはらし、その後のシュールな展開に息をのむだろう。

歯科医のマルグリット(サビーヌ・アゼマ)はある日、街で引ったくりにあい、バッグを持ち去られてしまう。駐車場の片隅に捨てられたバッグの中にあった財布。それを拾ったのは初老の紳士ジョルジュ(アンドレ・デュソリエ)。中に入っていたマルグリットの小型飛行機操縦免許の写真を見て、彼の中で何かが弾けた。警察に届け、マルグリットのもとへ無事に戻った財布。彼女はジョルジュにお礼の電話をかける。ジョルジュが妻と子供たちと食卓を囲んでいる最中、電話のベルが鳴った。「お礼を」「それだけ?」「他に何を?」「会いたいとか」「必要を感じないわ」「がっかりだ」。こうして始まったふたりの関係は、周囲を巻き込みながら、思いもよらない方向に転がり始める。

齢89歳のアラン・レネ監督が贈り出す、みずみずしさに満ちながら、熟達した映像表現と、大人の遊び心を持ち合わせた本作は、きっと見る者の心に深い余韻を残してくれるに違いない。【Movie Walker】


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