『しあわせのパン』主題歌に矢野顕子と忌野清志郎が歌う「ひとつだけ」が起用&予告公開!
東京から北海道に移住し小さなパンカフェを営む夫婦の姿を描いた『しあわせのパン』(2012年1月21日北海道先行公開、2012年1月28日全国公開)。本作の主題歌に、矢野顕子と忌野清志郎のふたりが歌う名曲「ひとつだけ」が起用された。
主演は、2012年にデビュー30周年を迎え、本作が記念作品となる原田知世と、北海道出身の大泉洋。東京から移り住んだ夫婦が、自然の中で生活していく姿を心地良く、時にちょっぴりビターに表現している。監督はNHKでドキュメンタリーを数多く手掛け、本作が長編映画初監督となる三島有紀子。同曲にインスパイアされた三島監督が、自ら脚本を書き下ろし、オール北海道ロケに臨んだ。
矢野顕子の作詞・作曲による同曲は、1980年に発表された名曲で、三島監督が初めて買った邦楽のレコードが、この曲が収録された矢野顕子のアルバムだったという。同曲が流れるエンディングでは、近くにいたのにわかりあえないこともあった登場人物たちを、そっと包み込んでくれるような温かい気持ちにし、本作によりいっそうの温もりを与えてくれている。
今回の楽曲起用について、三島監督は「君の黒い心の扉を開く鍵がほしいという、女子ワールドから一気に少年心の世界へスライドして、自分の中に新しい物語が広がっていきました。とっさに、いつかこの歌がエンディングに流れる映画を作りたいと思ったのです。今回、『しあわせのパン』を作るにあたり、撮影場所の北海道のカフェを見つけた時、真っ先に心の中にこの歌が流れました。紺碧の湖、一面真っ白な雪の世界、この場所でこんな美しい場所で、“そばにいるのに、心だけが届かない夫婦”の話を作りたいと思いました。この歌がなかったら生まれていなかった映画です」と心境を語った。「時に人は本当にほしいものを見失うし、間違えます。自分もそんな時がありました。でも自分にとっての一つだけが何なのか、わかっている人間が一番強いとやっぱり思います。矢野顕子さん、忌野清志郎さん、この歌を生んでくださってありがとうございます!」と感謝を述べた。
今回の忌野とのデュエットバージョンは、2006年に発売された「はじめてのやのあきこ」に収録されており、ライブではフジロックフェスティバルやライジングサンロックフェスティバルなどで、矢野と忌野の共演で披露されている。櫻井和寿によるBank Bandもカバーするなど、数々のミュージシャンに愛される名曲だ。
また、同曲が全編に流れる予告編動画も公開されている。公開は来年となっているが、是非ともこの動画でその世界観に触れてみてほしい。【Movie Walker】