海からびしょ濡れの女子高生がやってきた!? 新感覚のアイドル映画が登場
かつてトム・ハンクス主演のラブストーリー『スプラッシュ』(84)でダリル・ハンナが演じた人魚から、現在テレビ放送中のアニメ「侵略!?イカ娘」のイカ娘まで、海からは時々、キュートなヒロインが現れる。宇宙からやって来るエイリアンと違って稀有な存在の、そんな海系(?)ヒロインたちに仲間入りしそうなのが、10月22日(土)より公開の『魚介類 山岡マイコ』だ。
本作のヒロイン・山岡マイコは、タイトルそのままに、女子高生にして“魚介類”! 海から現れて、いつも髪や体を水で濡らしている不思議な少女なのだ。そんな彼女を巡って、彼女を調理しようとする料理人たちと、彼女を守ろうとする人々のおかしなやりとりを描くというのが、基本的なストーリーとなっている。女子高生なのに魚。いや、魚なのに女子高生というだけでもおかしな話なのに、彼女はマイコ→ユカカ→コハルと3段階に変化する出世魚という驚異的なキャラクターである点も見逃せない。
ヒロインが3段階変化を見せるのだから、演じる女優ももちろん3人。しかも、どこに出しても恥ずかしくないほどの美少女ぞろいだ。まず、第1形態のマイコに扮するのは、9nineの一員としても活躍する佐武宇綺。元気一杯で天真爛漫なキャラクターは、まるで彼女の素の姿を見ているかのよう。第2形態のユカカに扮するのはグラビアなどで活躍する松下美保。こちらは正統派美少女アイドル的で美しく長い黒髪をなびかせる姿が魅力的。そして、最終形態のコハルに扮するのは、元アイドリング!!!1号としても知られる加藤沙耶香。マイコやユカカに比べるとしっとりとした大人の魅力も感じさせる少女を好演している。
美少女たちのそれぞれの魅力を存分に引き出しているのは梶野竜太郎監督。前作『ピョコタン・プロファイル』(08)でも木嶋のりこや鈴木ゆきといった現役アイドルを起用し、見事なアイドル映画を撮りあげた監督だ。実は自身が熱烈なアイドルオタクで、ヒロインがどのようにしたら美しく映るかを知り尽くしているからこそ、彼女たちがより光り輝いて見えるのだ。
本作では、とにかく濃い演者たちに加え、本編とは全く関係なしに、前作のキャラクター、ピョコタン(水色のキャラクター)や、彼の公式サイトで展開中の明太子をモチーフにしたヒーロー、メンタイマンも登場。珍妙キテレツな独自の梶野ワールドを繰り広げている。まさにアイドルオタクによる、アイドルオタクのための映画と言っても過言ではない本作。そのツボがわかれば、あなたも立派なアイドルオタクに違いない!?【トライワークス】