岡田将生、2年連続の釜山国際映画祭出席でサイン攻め!「今回の役柄は僕に一番近い」

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岡田将生、2年連続の釜山国際映画祭出席でサイン攻め!「今回の役柄は僕に一番近い」

第35回モントリオール世界映画祭のワールド・コンペティション部門に正式出品され、イノベーションアワードを受賞した『アントキノイノチ』(11月19日公開)。本作で主演を務める岡田将生と、メガホンをとった瀬々敬久監督が10月13日、第16回釜山国際映画祭で舞台挨拶を行った。岡田は、昨年公開の主演作品『雷桜』でも同映画祭に参加しており、2年連続の主演映画出品ということから、サイン攻めにあう一幕も。日本のみならず、韓国での岡田の人気が証明される形となった。会場は少しでも間近で岡田を見ようと、会場後方の席に座っていた観客がステージ近くに殺到し、前方通路は人が通れなくなるほどで、熱気にあふれた。

舞台挨拶ではQ&Aが行われ、ふたりに質問が集中。「遺品整理に着目したが、気になる」という言葉を受け取った瀬々監督は、「原作を映画化したものです。孤独死とか無縁死いう高齢者の問題なのですが、それを若い男女がその事実を見つめているという視点が面白い。脚本を書いている頃は、日本は人と人との関係が薄いと言われた頃で、それはどうしてなのかということを考えようと作った映画です。ただ、撮影中に震災が起こり、震災後のがれきの中で、遺品や写真を探すということがたくさんありました。やっぱり人間というのは人と人とのつながり、関係性を求めているのだということを改めて感じました」と明かした。「韓国でも人と人とのつながりが薄く、冷たい社会になり、お互い嫉妬したりしていますが、無条件に与える友情とか、人への関心がもっと増えるにはどういうふうにしていけば良いか?」と質問を投げかけられた瀬々監督は、「今の世界で共通する問題。この映画を作りながら思ったのが、他人のことをどれぐらい思ってあげられるか。若い頃はみんな、自分のことで一生懸命なんですが、そればかりでなく、他人のことを思い、気遣う。そういうことでもっと良い世界になるかと思います。人と人との間、国と国との間にもあると思います。日本と韓国ももっとより良い関係になれたら良い」と心境を語った。

撮影を振り返り、岡田は「吃音というのはその人によって違いがあって、その中で永島杏平という人間の吃音をどう表現しようかとすごく悩みました。撮影中、僕の中ではセリフをはっきりと言いたいという時に吃音があると、それを忘れてしまったり、逆にやり過ぎてしまうところもあって、とても大変でした」と苦労もあったようだ。岡田は、最も愛着のあるシーンに、ラブホテルのシーンをあげ、「脚本では最後、自分が泣くことにはなってなかったんですが、なぜかわからないですが、とても感情があふれてしまいました」と裏話を披露。飛躍を続ける若手俳優の一人である岡田だが、役を演じるにあたり、「これまではいつも、今までやってきた役は全部、自分とは違うと思って演じてきました。それは自分を見せるのがとても恥ずかしくて、これを自分だと思ってほしくなかったという子供のような気持ちからきたものです。それが今回は永島杏平として見てもらっても良いし、岡田将生として見てもらっても良いと思っています。今回の役柄は僕に一番近いのではないかと思っています」と話した。

本作は10月22日(土)から10月30日(日)まで開催される第24回東京国際映画祭にも特別招待作品として出品が決まっている。【Movie Walker】

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