小林聡美、初共演の原田知世に「時をかけていた頃と変わらない」と笑顔で語る
『かもめ食堂』(06)、『めがね』(07)などのアンソロジー的作品の最新作『東京オアシス』(10月22日公開)の完成披露試写会が10月17日に新橋で開催。小林聡美、加瀬亮、原田知世、新星・黒木華が舞台挨拶に登壇した。小林聡美は念願の初共演を果たした原田知世を「変わらない透明感がある」とほめ称えた。
3つのエピソードがつながっていく本作は、松本佳奈と中村佳代のふたりが監督と脚本に携わり、白木朋子が1エピソードの脚本のみを手掛けたというコラボレーション映画だ。本作では小林のみが3つのパートで加瀬たち3人全てと共演したということで、加瀬亮らが共演の感想を語った。
まずは黒木が「映画は今回が初めてで、困ってしまったり、緊張してしまったりしたけど、小林さんがいつも話をたくさんしてくれたりして、安心してやるこができました」と語ると、小林との共演は4度目となる加瀬も「改めて思ったのは、どんな時も前を向く人だなと。僕は現場が大変だと文句を言い出すタイプなんですが、いつもと変わらず前向きに取り組んでいて、改めてすごい先輩だなと」と、小林の目線を横目に目一杯ほめちぎった。本作で初共演の原田も「一緒にいて自然体な方なので、長回しのシーンでも変な緊張をせず、楽しく乗り越えることができました」とコメント。
小林はそれを受け、ご機嫌にそれぞれの印象を語った。「黒木さんの舞台は何度も拝見してて。パワフルで力強いお芝居をされる女優さんだなと。現場では緊張してたらしいですが、全然そんな感じじゃなく、すごく柔軟性のある素敵な女優さんだなと。原田さんとは、やっと共演できて嬉しかったです。同じ頃にデビューしましたが、時をかけていた頃と印象が変わらず、透明感がある。小鳥のように可憐な大人の人。加瀬さんとは、夫婦漫才ができそうかなって思いました」。それを聞いた加瀬は、「それ、ほめてます?」と突っ込み、現場は大爆笑となった。
『東京オアシス』というタイトルどおり、地方ではなく、東京でロケを敢行した本作。東京都葛飾区出身の小林は、「何でこういうタイトルがついたのかなと思いながら見ていただけると」と最後にアピールして、舞台挨拶を締めくくった。光石研や市川実日子、もたいまさこといったおなじみの顔ぶれの出演も一連の作品のファンには嬉しい限り。これまでの作品同様、独自の空気感が心地良い映画なので、しばしの間、日常を忘れてスクリーンの中のオアシスに浸りたい。【取材・文/山崎伸子】