掛け声は常に“レンジャー!” 過酷すぎる陸上自衛隊の精鋭訓練の実態とは
選ばれた少数精鋭の兵士で結成された部隊。アメリカ軍などで“レンジャー部隊”と言えばそれらを意味するが、日本が誇る陸上自衛隊には特定の常設部隊としてのレンジャー部隊は存在しない。“レンジャー”とはレンジャー教育課程を修了した者に付与される特殊技能資格のことを意味するからだ。
では、そのレンジャー教育課程の訓練とはいったいどんなものなのか? そんな知られざるレンジャー訓練の91日間に密着した、“本気”のドキュメンタリーが登場する。それが11月19日(土)から公開となる『RANGER 陸上自衛隊 幹部レンジャー訓練の91日』だ。
過酷な訓練を乗り越えた者のみに与えられるレンジャー徽章。それを手にするための訓練には、まず心身共に優れた者でなければ参加することができない。選ばれた者だけが挑むことができる本訓練、劇中では全国の駐屯地から集まった27人の隊員が幹部レンジャー訓練学生として参加する。
彼らはレンジャーとして必要な基本的な知識と技術を身につける基礎訓練と、より実戦的な行動訓練に挑むことになるが、その際の掛け声は常に“レンジャー”で、一切の口答えは許されない。教官の指示が絶対で、どんな理不尽な訓練も“レンジャー”の掛け声でこなさなければならないのだ。
それは、朝の点呼でヒゲの剃り残し、耳垢のチェックといった身だしなみから、小銃を手に10マイル(=約16キロ)をノンストップで走り切らなければならない10マイル走。また、突然の敵襲を想定しての真夜中の訓練だったり、いつ何時も気を許すことのできないハードな91日間である。
テレビのバラエティ番組などで、レンジャー訓練の一部を見たことがあるという人もいるだろうが、実際の訓練に完全密着したのは稀なケース。不撓不屈の精神でどんな困難にもくじけず、先日の東日本大震災の際には、被災者の大きな力となってくれた自衛隊の“強さ”の秘密の一端を、本作で垣間見ることができるはずだ。【トライワークス】