『恋の罪』の水野美紀「女性目線のエロティシズムがリアル」&3サイトでキャンペーン実施中!
水野美紀が、『冷たい熱帯魚』(11)の鬼才・園子温監督作『恋の罪』(11月12日公開)に出演。本作で、水野がフルヌードになったことがかなり話題となったが、彼女が見せた女優魂はそこだけではない。これまで数多くの刑事役を演じてきた水野だが、本作では全く異なるアプローチをしたという。水野にインタビューして、入念な役作りや、園監督作の魅力について語ってもらった。
元々、園監督の大ファンだった水野は、園監督作をこう表現する。「圧倒的なオリジナリティーや、針を振り切った表現方法がすごい。大胆さと詩的な繊細さが同居している」。『恋の罪』の脚本を読んだ時も「女性のハードボイルドな話で、園さんの世界が炸裂していて面白い」と思ったそうだが、完成した映画を見て「現場で想像力を駆使していたのに、全然映画に追いついてなかったです。どのシーンにも力があって、いろんな凄みを感じました」と、興奮気味に語ってくれた。
『恋の罪』は、園監督が90年代に渋谷の円山町のラブホテル街で起きた猟奇殺人事件からインスパイアされて撮ったサスペンス映画だ。水野は殺人課の刑事・吉田和子役だが、和子は刑事の顔、良き母や妻の顔、そしてもう1つ愛人としての顔を持つ。「和子はごく普通の女性です。特殊なのは刑事という職業くらいで。だから、刑事であることに嘘がないようにしたかったので、元刑事の方などに取材をして、アドバイスをいただきました」。
取材では、いろんな質問を投げかけたという水野。「たとえば、女の子が胸を刺して倒れているのを刑事さんが見かけたら、まず何をしますか?とか。女の子に近寄ったら、まずは当人から刃物を遠ざけるそうです。現場検証についても、外観を見てから中に入り、まずは遺体を見て、それから周辺を見ていくとか。その他、刑事はいつ呼ばれるか分からないから、ごはんを食べるのがすごく早いとも言ってました(笑)」。今回求めたのは、刑事としてのリアリティーだ。「いつも役作りのリサーチはしますが、今回は所作よりも、刑事さんの心の中を知りたくて、そこもいろいろと聞きました。和子の思考が見えないところを少しでも埋めたかったから。話を聞けば、自然と動きや姿勢に出てくると思ったので」。
園監督は本作で「男性目線で女を語らないように気をつけた」と言っていたが、水野もそのとおりだとうなずく。「描かれているのは、監督が女性の側から見たエロティシズム。だから、そこにファンタジーは1つもないんです。どのキャラクターもものすごくリアルだから、演じる方は園監督が描いた人になればいいだけ。後は監督が料理してくださるから」。
園監督の演出では、水野の顔に水がしたたるシーンが印象深かったと語る。「水の落ち方にもこだわりがあって。監督自ら私の上にまたがって、馬乗り状態で水を流してくれたんです。とにかく1シーン1シーン、現場のエネルギーがすごくて。現場で自分が何を提示できるか、毎回監督と勝負するって感じで、こんなに楽しかったのは久しぶりでした」。
自ら演劇ユニット「プロペラ犬」を主宰する水野は「舞台の芝居の中で培ったものは、映画の現場にも活かせると思います」と笑顔で語る。毎回、舞台でも新しいことにトライしている彼女は、次回作で初めて脚本も執筆中だ。いろんな方面で自分の世界を広げていっている水野美紀だが、彼女の女優魂を見るなら、『恋の罪』を是非おすすめしたい。【取材・文/山崎伸子】
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