エネルギー問題に革命を! 脱原発の可能性を具体的に検証するとどうなる?
3月11日に起きた福島第一原子力発電所の事故以来、原子力発電や原発の危険性を訴える原発関連映画が各地で数多く公開されている。だが、原発が賄っていた電力を具体的にどう代替していくのかについて、明確なビジョンを提示している作品は意外にも少ない。そんななか、環境先進国といわれるドイツから、再生可能エネルギーへの移行(エネルギーシフト)について具体的に検証したドキュメンタリー『第4の革命 エネルギー・デモクラシー』(12月17日公開)が急遽届けられた。
同作は、エネルギー問題に携わる環境活動家やノーベル賞受賞者などへのインタビューを通して、これから30年以内に再生可能エネルギーの占める割合が100%に到達する可能性を示した作品だ。ドイツ本国では2010年に劇場公開され、ドキュメンタリーとしては異例の13万人を動員。3.11後にはテレビ放送もされ、200万人が視聴するなど、ドイツ国内のエネルギー政策に大きな影響を与えた作品とまで言われている。
ご存知の通り、ドイツは福島第一原発の事故を受け、2022年までに国内17基の原発を全て閉鎖することを表明するなど、先進国に広がる脱原発の動きをリードする国だ。さらに、国内の電力供給量に占める原子力発電の割合が非常に日本と近いため、今後日本が脱原発を推進するのであれば、大きな指針になることは間違いない。そんなドイツのエネルギーシフトに対する姿勢や方針などが、本作には凝縮されている。
様々な問題はあるにせよ、長期的に見て日本も脱原発へ向かうべきではないか、と考えている人は多いだろう。その意味でも本作はこれからエネルギーシフトの可能性について前向きに考えていくうえで、重要な作品となるはずだ。【トライワークス】
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