『けいおん!』舞台挨拶「待ちわびたワクワク感を放課後ティータイムにぶつけて!」
人気アニメの劇場版『けいおん!』の初日舞台挨拶が12月3日、新宿ピカデリーで開催。声優の豊崎愛生、日笠陽子、佐藤聡美、寿美菜子、竹達彩奈と山田尚子監督が登壇した。テレビシリーズ終了から1年3ヶ月。劇場公開を待ちわびたファンの熱気の中、“放課後ティータイム”が勢ぞろい。作品への愛情をアピールし、大盛況の舞台挨拶となった。
本作はかきふらいの4コマ漫画を原作に、桜が丘女子高校・軽音部の緩やかな部活生活を描く。劇中のバンド名“放課後ティータイム”名義で出す主題歌や劇中歌もヒットチャートをにぎわせるなど、数々の社会現象を巻き起こしている。
会場から「唯ー!」と声がかかる中、登場した平沢唯役の豊崎は、「唯ちゃんたちの新しい表情、ストーリーをお届けできる日が来たと思うと、すごく幸せな気持ちです」と感無量のようだ。また、キャラクターへの思いを聞かれると、「唯ちゃんは、こんなふうにキラキラと毎日を過ごしている女の子になりたいなと向き合ってきたキャラクター。唯が笑えば、“放課後ティータイム”のみんなに連鎖して、みんなも笑顔になって。それが一番の唯の魅力なんじゃないかな」とコメント。元気でお調子者のドラム担当、田井中律役の佐藤は、「律は私の中で、ターニングポイントとなった役。色々なこれまでの価値観や考え方をがらっと変えてくれて、それを『よしっ!』って言ってくれる女の子です。本当にそれは自分の財産。そういうキャラクターに巡り合えたのは奇跡です」と充実した表情で語り、ファンに向かっても「待ちわびたワクワク感を“放課後ティータイム”にぶつけて」と呼びかけた。
また、おっとりとしたお嬢様・琴吹紬役の寿は、「初めの頃は敬語を使っていたムギも、ギャグを披露したり、色々な表情を見せるようになって(笑)」と、役柄の成長を親心いっぱいに。テレビアニメとしては、初の仕事が本シリーズだった梓役の竹達は、「あずにゃんは、かけがえのない存在。新人としてわからないことだらけの私にとって、一緒に成長できた仲です」と明かしてくれた。
“持ちギャグ”とも言われる「てへぺろ」を披露し、ファンから声援を受けた秋山澪役の日笠は、映画の見どころについて「こうやって、いつも通りの私たちを見ていただいたのですが(笑)、『けいおん!』のみんなもいつも通り、皆さんを待っていますので、どうそ楽しんでください。澪はエンディング曲も歌ってますよ!」とアピールした。
最後に、京都アニメーションに所属し、本作のテレビシリーズから劇場版までを手がけた山田監督が、「3年間、お付き合いしてきた大事な作品。『けいおん!』を好きになってくれた人たち、関わった皆さんの自慢になるような作品になるよう、映画に取り組んできました。『けいおん!』を好きであったことを皆さんの誇りにしていただければ」と締めくくった。
生き生きとしたキャラクターたちが繰り広げるリアルな高校生活が、男性のアニメファンだけでなく、多くの層の心をとらえた『けいおん!』。高校時代の輝きと共に、思いやりや優しさがぎゅっと詰まった本作で、是非とも心を温めてみてはいかがだろうか。【取材・文/成田おり枝】