『戦火の馬』プレミアでスピルバーグ監督「行く先に希望が待っていると信じて」と日本にエール
児童文学を映画化した『戦火の馬』(2012年3月2日公開)のワールドプレミアが、12月25日(日)の全米公開を控えた、現地時間4日にニューヨークで行われた。本年度のトニー賞で5部門を獲得し、ロングランを続ける同名の舞台が上演されているビビアン・ビューモント・シアターがあるリンカーン・センター内のエイブリー・フィッシャー・ホール(ニューヨーク・フィルの本拠地でもある歴史あるオペラハウスで2000人以上を収容可能)で行われたワールドプレミア。35台のテレビカメラ、全世界から集まった300名以上のマスコミが、全長200m、幅5mのレッドカーペットを取り囲み、さらに折からの寒波にも関わらず1000人以上の観客も集まった。レッドカーペットの本場、アメリカでも珍しい長大で全天候型の屋根付きレッドカーペットは、本作のスケールと期待度を表すもの。NYのカルチャーを代表するスポットに突如出現したこの華やかなレッドカーペットは、多くの観光客の注目も集めた。
早くも2012年のアカデミー賞最有力候補と名高い本作。二度目のアカデミー作品賞と三度目の監督賞の最有力候補と誰もが認めるスティーブン・スピルバーグは、“希望”を描いた作品であることから、今の日本に対して、「どんな状況に置かれていようと、それを信じて見つけようとする心さえあれば、希望は必ず見つかるもの。行く先に希望が待っていると信じて、頑張ってください!」と、力強いエールを贈った。
全世界に愛読者を持ち、文学への貢献により大英帝国勲章も受けている原作者のマイケル・モーパーゴは、「厳しい体験を耐えた後に訪れる希望をテーマにしたこの物語は、様々な愛を描いた作品でもあります。少年と馬がお互いへの愛情を支えに過酷な境遇を生き抜く姿にはきっと共感してもらえると思います」と語った。
さらに映画初出演にして、スピルバーグ作品で主役級の大役を射止め、次世代のスター候補と注目されるジェレミー・アーヴァインは、「すごく緊張してる! 2年間の努力がようやく形になって、ワクワクしている。出演が決まった時は19歳だった僕が、今では21歳。すごく実のある2年間だった」と、初めてのレッドカーペットに興奮を隠し切れない。英国陸軍の大尉を演じ、その端正なルックスと抜群の演技力で知られるトム・ヒドルストンも、「スピルバーグ監督は僕の子供の頃からのアイドルだった。その監督の映画で、しかも感動的なストーリーと息をのむような美しい映像で綴るこの素晴らしい映画に出演できて、本当に嬉しく思っている」と出演の喜びを語った。
この日は本作のメインキャスト、スタッフをはじめ、多彩な内外のゲストが登場。その誰もが第一次世界大戦を舞台にした、この“奇跡”と“感動”の2時間27分に身を委ねる期待と興奮を次々と口にした。【Movie Walker】