『リアル・スティール』の天才子役、名セリフ「YES YOU CAN!」へ懸けた思いとは?

インタビュー

『リアル・スティール』の天才子役、名セリフ「YES YOU CAN!」へ懸けた思いとは?

日本では芦田愛菜がもてはやされる中、ハリウッドの天才子役ダコタ・ゴヨにも是非注目してもらいたい。スティーブン・スピルバーグに「奇跡の子役」と言わしめた名子役ダコタは、スピルバーグとロバート・ゼメキス製作総指揮のSF感動作『リアル・スティール』(12月9日公開)で、ヒュー・ジャックマンと堂々渡り合った。そんなダコタの素顔を直撃!

人生に挫折した男チャーリーとその息子マックスが、ロボット格闘技を通して親子の絆を深め、人生を切り開いていく本作。ヒュー・ジャックマンと共演した感想については興奮気味にこう話してくれた。「僕は彼のウルヴァリン(『X-MEN』シリーズ)が大好きだったので、今まで大画面で見てきた彼と実際に会った時は本当に圧倒されたよ。しかも、彼は僕にだけではなく、みんなに優しい。地球上で最も優しい人なんじゃないかと思うくらいだ」。

ヒューとの共演シーンでは、「ラストの感動的なシーンはもちろん、橋の下で喧嘩をするシーンも印象的だった。僕はこれまで殴られたり、喧嘩したりしたことがあまりなかったから」と語る。撮影以外の時も、ヒューは色々と気にかけてくれたそうだ。「ヒューはいつも僕の手助けをしてくれたし、大変なシーンでは僕を支えてくれた。メタルバレーのシーンで、歯がガタガタ震えるくらいに寒い中で撮影をした時も、ヒューが『大丈夫だよ』って優しく言ってくれたり、低体温症にならないように洋服を着替えるようアドバイスをくれたりしたんだ。彼と一緒だからこそ乗り切ることができたよ」。

本作では、人生でどん底に落ちても、そこから勇気を持って立ち向かえば再起できる、という力強いメッセージが込められている。劇中でダコタが、オバマ大統領よろしく「YES YOU CAN!」というセリフが心を鷲づかみする。「チャーリーは最初、ボクサーとしての自分自身を信じきれていなかった。でも、ベイリー(エヴァンジェリン・リリー)もマックスも、そしてATOMもチャーリーのことを信じているんだ。マックスとしては、ただその思いを自分の父親に伝えて、自信を与えたいと思ったんだ。絶対に諦めないこと、それが『リアル・スティール』のテーマだ」。

ロボット格闘技をする“ATOM”は、マックスの相棒的な存在だが、もし実際に家にロボットが来たら何をしてほしいかを聞いてみた。「まずは家事をやってほしいな(笑)。ベッドメイキングをしたり、部屋の掃除をしたり、お皿洗いをしてもらったり。また、僕にはお兄さんがいるけど、あまり一緒にいられないから、僕と遊んでほしいよ。学校のある日は友達と会うのも難しかったりするから、一緒にゲームをしたりして遊んだり、僕の親友になってほしい」。

最後に、今、天才子役と注目を浴びることに対してのプレッシャーについて聞いてみた。「そう言われると、心が温まるし、嬉しくなるんだけど、僕はあまり考えすぎないようにしている。それに自分の周りには家族や友達がいてくれて、色々なアドバイスをしてくれるし、自分としてももっとちゃんとしなきゃいけないと思っているから。今が最高とは思わず、今後も努力し続けていきたいよ」。【取材・文/山崎伸子】

作品情報へ