臨月の小雪、産休前最後の公の場で「妊婦役を疑似体験し、良い経験をさせてもらった」

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臨月の小雪、産休前最後の公の場で「妊婦役を疑似体験し、良い経験をさせてもらった」

人気映画シリーズの5年ぶりの新作『ALWAYS 三丁目の夕日'64』(2012年1月21日公開)が、3D映画として登場。本作の完成披露舞台挨拶が12月8日、TOHOシネマズ六本木で開催され、吉岡秀隆、堤真一、小雪、堀北真希、もたいまさこ、薬師丸ひろ子、須賀健太、小清水一揮、山崎貴監督が登壇。劇中でも臨月の妊婦役で、実際に今、妊娠9ヶ月の小雪。産休前の最後の公の場となった彼女は「私自身も疑似体験で良い経験をさせていただき、この作品にすごく縁を感じてます」と笑顔で語った。

シリーズ3作目となる本作の舞台は、東京オリンピック開催で夢と希望に満ちあふれていた1964年(昭和39年)。今回も三丁目の住人たちが、それぞれに人情ドラマを繰り広げる。何と1作目は13回も劇場に見に行ったという吉岡秀隆は、「自分好きみたいで嫌なんですが(苦笑)。スクリーンにいるのは茶川で、ここまで客観視できる作品は初めてでした」と本シリーズへの思いを語った。小雪は「映画と同じシチュエーションで、不思議な感覚ですが、自分以外のものを守ろうとする気持ちは自然と芽生えていきました。撮影中、ずっと臨月だったので、本当に腰痛になったけど、今やっとその気持ちがわかります」と語った。

また、今回、堀北真希扮する六ちゃんが嫁に行くのだが、堤は役柄同様、しんみりとした気持ちになったという。「8年前から彼女を見ているから、脚本の段階から駄目で。スタッフのおじさんたちも同じ気持ちでした。彼女の横の男を見ただけで怒りはふつふつと湧いてきて、何の役作りもしなくて良かったです」。薬師丸も「送り出す喜びよりも、悲しみに堪えて送り出したって気分でした」と語ると、堀北は「ウエディングドレスを着た時、みんなの目が『行っちゃうの?』みたいな寂しい感じで。たくさんのお父さんに『今までありがとうございました』という気持ちになりました」と答えた。

最後に、山崎監督は、東日本地震について触れながら、こう締めくくった。「撮影終わりに震災が起こり、撮影を続けて良いのか少し悩みました。でも、おこがましい言い方ですが、この作品がこの時期を選んで生まれてきたような映画になっている気がします。本当の幸せって何だろうって考え直すきっかけになるような作品だと思います」。

スタッフ、キャストもそれぞれに成長したシリーズ第3作目。3D映像で再現された当時の街並みや東京タワー、オリンピック開会式の日の飛行機雲、開通したばかりの東海道新幹線などの背景はもちろん、帰ってきた三丁目の人々のドラマが胸に染み入る本作。新しい2012年の幕開けにふさわしい一作となりそうだ。【取材・文/山崎伸子】

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