三谷幸喜監督、大勢の有名俳優出演の理由は「皆さんが『出たい』と言っているから仕方なく」
10月29日の日本公開以降、海外からの配給オファーを続々と受けている『ステキな金縛り』(公開中)が海外公開第1号として、台湾で12月30日(金)より公開される。台湾公開にあたり、熱烈な訪台オファーを受けた三谷幸喜監督が12月18日、台湾プレミアを行った。
ドラマ「古畑任三郎」をはじめとした三谷作品の台湾での人気は高く、過去には『THE 有頂天ホテル』(06)、『ザ・マジックアワー』(08)も公開されている。2006年の台湾映画祭で上映された『THE 有頂天ホテル』の際には、これまであまり劇場で声を出して笑ったり手を叩いたりすることのなかった台湾人の笑いの概念を変えた作品として記憶され、今や“伝説”“コメディ映画の代名詞”として語り継がれているという。『THE 有頂天ホテル』の上映時を三谷監督は「観客の皆さんが死んでしまうのではないかと思うくらい笑って、本当に喜んでくださいました」と振り返った。本作を心待ちにした満席の会場から、劇場の外にいても笑いが聞こえるほどの大爆笑が。台湾のファンの反応を目の当たりにした三谷監督は、「皆さんは日本の方以上に僕の作品を愛してくれているのがわかりました。こんなに笑ってくれているお客さんを見たのは、僕は初めてです。僕は台湾に住みたい! 台湾の皆さんの笑い声と笑顔を見るたびに、とても元気をもらいます。次の作品も台湾で上映したいです」と喜びを語った。
10月に行われたニューヨークプレミアでは、英語のスピーチでニューヨーカーを笑いの渦に巻き込んだ三谷監督。今回のティーチインでは北京語のスピーチに挑戦し、「皆さん、おはようございます。三谷幸喜です。皆さん、私の北京語がおわかりになりますか?残念ながら、私は自分の北京語が全くわかりません」と挨拶。ニューヨーク同様、またしても大爆笑となった。ティーチインではファンから三谷監督へ、「なぜ有名な俳優たちを集め、撮影できるのですか? 構想10年ということですが、どうやって作ったのですか?」と質問が。三谷監督は「日本でも有名な俳優の方々に出演していただいていますが、それは僕が頼んでいるわけでなく、皆さんが『出たい、出たい』と言っているから仕方なく出してあげています(笑)」と冗談を放ち、「コメディを作るのは時間がかかります。(今は)10年後に作る映画の台本を書いています」と明かした。本作の主人公は、落ち武者の幽霊・更科六兵衛ということから「台湾では幽霊を演じる役者さんは赤い封筒にお金を入れて厄払いをしますが、日本ではそういった習慣はありますか?」と問われた三谷監督は、「幽霊を演じた西田(敏行)さんにどういった方法でお金が支払われたかはわかりませんが、たぶん銀行振り込みだと思います(笑)」と話し、笑いの耐えないティーチインとなった。
また、占いの聖地・台湾ということから本場台湾の占い師・宏虹先生による“亀占い”で生誕51周年を迎える2012年の三谷監督の運勢を占った。甲羅の中に古いコインを入れ、甲羅を振り、コインの表裏で占う“亀占い”。来年の三谷監督は「雷のように世界中の人々を驚かせるようになる」と、来年も今年以上に飛躍の年となることを確約された。商売の神様・関羽を祀った人気観光スポットの行天宮を参拝し、現地での本作大ヒットを祈念した。【Movie Walker】