アンジェリーナ・ジョリーとマドンナ、監督としての評価で明暗くっきり
ゴールデングローブ賞で最優秀外国語映画賞にノミネートされたアンジェリーナ・ジョリーの監督デビュー作『In the Land of Blood and Honey』が、評論家たちから高い評価を得ており、同じく女性ビッグスターの長編映画監督デビュー作として話題を集めたマドンナの『W.E.』とは全く対照的だと英紙ガーディアンが伝えている。
今年はアンジーとマドンナの監督作に関するニュースが何かとメディアに取り上げられた年だったが、完成作に対する評価では明暗がはっきりと分かれたようだ。「まるでショッピングしている女性のドキュメンタリーのようだ」とマドンナの『W.E.』を評したThe Hollywood Reporter誌が、アンジーの『In the Land of Blood and Honey』については、「冒頭の数分を見ただけで、これは単に監督デビューするスターの虚栄心を満たすためのプロジェクトではなく、(ボスニア紛争というテーマに)本気で取り組んだ作品だということがわかる」と書いており、アンジーは監督デビュー作で米プロデューサー組合のスタンリー・クレイマー賞受賞という快挙も成し遂げ、オスカーにもノミネートされるのではという声も挙がっている。デビュー作からジェノサイドや民族浄化といった難しい問題を扱ったアンジーが、次はいったい何を撮るのかとハリウッドのプロデューサーたちも関心を抱いているという。
アンジー本人は女優業と監督業について、「(女優の仕事は)楽しいし、素晴らしい経験をしました。だけど、私の心は海外の政治問題を追っていて、私が本当に興味を持っているのはその分野です。だから、その両方を合わせれば、(監督業は)良い発展の形だと思っています」と語っているとガーディアン紙は伝えている。【UK在住/ブレイディみかこ】