北川景子は『マジック・ツリーハウス』で8歳の少年役にどう臨んだのか?
8歳の少年に扮した北川景子を、誰が想像できただろうか? 北川が初のアフレコにトライしたのは、全世界で1億部を売り上げる人気児童書を映画化した『マジック・ツリーハウス』(1月7日公開)の主人公・ジャック役だ。声優の仕事は初だったが、見事に少年に成りきった北川に、アフレコ時の裏話から、女優としての今について聞いてみた。
森の中の不思議な小屋「マジック・ツリーハウス」を発見したジャックと妹のアニーが、時空を超えた大冒険を繰り広げる本作。ジャックは、いつもおてんばな妹アニーに振り回されている、ちょっぴりナイーブな少年だ。「『ジャックの声に合ってますから』とオファーをいただいたので、あまり作り込まずに行きました。監督からも『無駄に子供っぽくしようとか、男っぽくしようとか思わないでください。ただ、気弱そうに見えても責任感が強く、妹思いなところをちょっとだけ意識してもらえば良いです』と言われ、そこだけは意識してやりました」。
難しかったのは、タイミングを合わせることだった。「慣れるまでは出遅れたり、早く入りすぎたりしてしまって。テストで尺を図りつつ、本番では気持ちでやっていきました。でも、声に関しては、お客さんに見てもらうまでは、大丈夫かな?って思っています」。妹アニー役を務めたのは芦田愛菜だ。「愛菜ちゃんが先に収録されていて、私は既にアニーの声が入ったものを聞きながらアフレコできたので、すごくやりやすかったです。アニーの無邪気で天真爛漫なところは愛菜ちゃんにぴったりだと思いました」。
本の世界に行けるという夢のある設定の本作。北川が行ってみたいのは「若草物語」の世界だという。「姉妹がいないので、もしいたらこんな感じなのかなって、小さい頃よく思っていました。私は本の中の主人公に自分をあてはめて読む癖があって、『若草物語』はエイミーにあてはめて読んだりしていました。『赤毛のアン』や『あしながおじさん』も好きなので、もし行けるなら、ああいう世界へ行ってみたいです」。
本作では、ジャックとアニーが、ふたりで力を合わせて困難を乗り越えていく。彼女にも、そういった経験はあったのだろうか。「この仕事をしていると、毎回困難ばかりです。オファーをいただくのはありがたいけど、毎回『これって無理じゃないかな?』と思いながら、最初は全く見えない状態からやっていくんです。でも、その時々で何かをつかめるきっかけがあって、何とか乗り越えて来られました」。
新しいことにチャレンジするのは、勇気がいるという。「芸能界に入ってもう8年になりますが、役をいただいた時、自分がその役をちゃんとやってる姿を想像できない時が一番怖いです。今回のドラマ(『謎解きはディナーのあとで』)も、感情の起伏が激しい役柄だったので、これ、私にできるかな?と思ったし、時代劇だと、かつら似合うのかな?と心配したり。でも、最終的には、プロのメイクさんや衣装さん、そして監督や共演者の方々がいてくれて、何とか皆さんに助けてもらって、できるんだろうなと納得していくんです」。
今回も最初は不安だったそうだが、少年役が意外にもはまり、新たな一面を見せてくれた北川景子。最後に本作の見どころを語ってくれた。「映画を見てワクワク楽しんでもらいたいなと。子供だけではなく、大人の方も、大きくなると失いがちな冒険心や探究心を思い出させてくれると思うし。また、助け合うことの素晴らしさや、最後までやり遂げることの意味など、いろんなメッセージが入っていると思います」。【取材・文/山崎伸子】