ウィリアム王子とキャサリン妃、結婚後初の2ショットで『戦火の馬』ロイヤルプレミアに出席
100作を超える名作を世に送り出し英国王室から叙勲もされているマイケル・モーパーゴが、1982年に発表した同名小説を原作にした『戦火の馬』(3月2日公開)のロンドン ロイヤルプレミアが現地時間8日(日本時間9日未明)、レスタースクエアで行われた。本プレミアは、英国王室ウィリアム王子とハリー王子が運営する慈善団体のチャリティイベントとして開催され、会場には昨年4月にロイヤルウェディングを挙げたウィリアム王子とキャサリン妃が、結婚後、初の映画プレミア公式出席した。折からの小雨を避けるように、王子がキャサリン妃に傘をさしかけ、一つの傘でゆっくりとレッドカーペットを歩かれる一幕も。翌日9日に30歳の誕生日を迎えるキャサリン妃はアリス・バイ・テンパリーの黒のドレスで登場し、観客を魅了した。
スティーブン・スピルバーグ監督、ジェレミー・アーヴァイン、トム・ヒドルストン、ベネディクト・カンバーバッチ、馬のジョーイらがレッドカーペットに登場。2012年のアカデミー賞最有力候補と名高い本作。二度目のアカデミー作品賞と三度目の監督賞の最有力候補と誰もが認めるスティーブン・スピルバーグ監督は、「この映画は『プライベート・ライアン』(98)やテレビシリーズ『バンド・オブ・ブラザーズ』のような、いわゆる戦争ものではなく、“絆”というテーマを中心に、動物が人々を結びつけ、人間の善の部分を引き出す存在になり得るということを描いている。戦争映画ではあまり描かれることのない、そういった叙情的テーマを描いたつもりだ」と紹介した。製作を務めたキャスリーン・ケネディは「人間と動物の間に生まれる“絆”、そして“希望”という、今の日本の人たちにとって意味深いテーマを描いたこの作品は、日本の観客の皆さんにもきっと気に入ってもらえると思います」と話した。
本作が映画初出演となるジェレミー・アーヴァインは「イギリスの普遍的な文化の一部として多くの国民に愛されるこの物語の映画化に参加できたのは、とても光栄なことだと思っています」と出演の喜びを語り、トム・ヒドルストンは「この映画は思いやりの大切さを教えてくれる素晴らしい作品だし、観客もきっと気に入ってくれると思う。残酷な戦争に巻き込まれながらも果敢に生き抜くジョーイという奇跡の馬は、敵味方関係なく出会った全ての人々に勇気と優しさを運んでくれる。人に優しくあれという素晴らしいメッセージを持った作品だ」と本作の魅力を語った。
30年もの間、文学、演劇、映画と、時と共に形を変え人々から愛されてきた“希望”と“絆”の物語は、舞台を観賞されたエリザベス女王から、新しいイギリス王室の象徴と言われるウィリアム王子とキャサリン妃に受け継がれた形となった。エリザベス女王が列席してのロイヤルプレミアの経験があるスピルバーグ監督にとって、久々のロイヤルプレミアとなるが、「とても名誉なことだ」と感慨もひとしおだった。【Movie Walker】