アドリブも展開!『キツツキと雨』心の内を明かす役所広司と小栗旬の姿を公開
第24回東京国際映画祭で審査員特別賞、第8回ドバイ国際映画祭では最優秀男優賞・脚本賞・編集賞の三冠を受賞した『キツツキと雨』(2月11日公開)。妻に先立たれ、息子となぜか喧嘩ばかりしてしまう無骨な木こりの克彦を役所広司、自分に自信が持てず、初監督という大きなプレッシャーで現場から逃げ出そうとする新人監督の幸一を小栗旬が演じる本作では、劇中で食事のシーンが度々登場する。克彦と幸一のふたりを近づけるのにひと役買っているのが、この食事のシーンで、休憩中に野外で弁当を突いたり、露天風呂あがりに蕎麦をすすったりと、ふたりの心情の変化を絶妙な間合いで描き出している。
今回、蕎麦やあんみつをむさぼりながら、自身の心の内を明かす役所と小栗の熱演シーンを初公開する。公開されたシーンはワンカットで撮影され、ふたりのアドリブも展開されている。小栗は「幸一は、克彦さんと出会うことで少しずつ変わっていきます。そこに何かが生まれてくるんです。苦痛しか感じていなかった幸一に、希望のようなものが芽生えてくるんですね」と語り、一方の役所は「克彦は自分の子供には下手な愛情表現しかできず、その分、違う青年(幸一)に子供への思いを伝えていく。そして、どこかお祭りに参加しているような気分の、映画作りという夢の虜になっていく。克彦にとって、それは今までに出会ったことのない体験なんですね」と、それぞれ役柄について語っている。今回の映像は一部分だが、本編では約5分にわたって展開されているので、続きは劇場へ足を運んで確認してもらいたい。
先日開催された試写会でも、本作について「自分らしさを大切に、そして自分を信じて行動する勇気をもらえた。日本人らしい温かみを思い出させてくれました。元気をもらえて、心が温まる作品」「親子の絆に感動しました」「いっぱい笑って、最後はちょっと涙が出ました。何て素敵な映画! 劇場を出た後、自分の歩く足取りが軽くなりました」「100点満点で、300点!!!」と好評価が続出した。
年齢も価値観も自分と異なる人生の人と出会ったら、関わりたくないと思ったりもするだろうが、意外にも新しい出会いこそが、停滞気味の日々に刺激を与えてくれたりするものだ。片田舎の年配の木こりと、デビュー作の撮影に四苦八苦する新人監督の青年との交流、一生懸命に奮闘するふたりの姿に「きっと明日は絶対良いことがあるぞ!」と元気をもらえるだろう。【Movie Walker】