吉田修一の「横道世之介」、高良健吾&吉高由里子出演、沖田修一監督で映画化

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吉田修一の「横道世之介」、高良健吾&吉高由里子出演、沖田修一監督で映画化

2010年本屋大賞3位となり、第23回柴田錬三郎賞を受賞した吉田修一の「横道世之介」が、高良健吾、吉高由里子出演で実写映画化されることがわかった。ふたりの共演は『蛇にピアス』(08)以来、約5年ぶり。独特のユーモアを生み出す絶妙な演出に定評のある沖田修一監督が、劇団「五反田団」主宰、『生きてるものはいないのか』(2月18日公開)の劇作家・小説家の前田司郎と共に脚本を手掛ける。

1980年代を舞台に、本作では長崎の港町生まれ、上京したてのお人好し、横道世之介とガールフレンドの与謝野祥子をはじめ、まわりの人々の青春時代とその後を描く。沖田監督は「原作の面白さはコメディにある」と言い、「あまり気にしすぎず、映画の中に原作の横道世之介が出てきたら、それだけで素晴らしいと思います。映画の中で世之介がどう映るのか、自分でもとても楽しみです」と構想を膨らませた。

『南極料理人』(09)、『キツツキと雨』(2月11日公開)に続き、沖田監督作品出演、初の主演を務める高良は「沖田監督の作品は、脚本を読んだ以上に現場でさらに面白くなるので、楽しみで仕方がない。いつも一緒に悩んでくれる監督」と印象を語り、「コメディ映画のように面白い方」という吉高と共に、「監督が受け止めてくれて、吉高さんが引っ張ってくれる。だから安心して、僕は前向きな他力本願で頑張ります」と作品への意気込みを語る。高良は脚本を読み、「世之介が大好きになりましたし、何が何でも世之介役をやりたいと思いました」と世之介役を熱望したそうだ。「自分に近い役なので、意識をしなくても自然に演じられると思えるくらい、世之介は自分に近いです」と役柄を分析。沖田監督も「高良君は僕の作品だと結構格好悪い役(ばかり)だったんですが、本人の雰囲気が世之介に近いなと思っています。これまで一緒に仕事をしている、していないに関らず、高良君が良いと思っていました」とキャスティングについて明かす。

世之介のガールフレンドで社長令嬢の与謝野祥子を演じる吉高は、「お芝居に対する気持ちや作品に関わる方たちの思い、自分の前進につながる大事な作品にしたいです」と語る。脚本から、吉高は「生きている意味の輪郭に触れたような、記憶に対する愛おしさを抱いたような、不思議な気持ちになりました」と独自の考えを述べる。沖田監督作品初出演でヒロインに抜擢した吉高について、沖田監督は「『転々』(07)で面白い子だなと思いました。祥子は言葉遣いにも特徴があるし、すごく難しい役どころだと思いますが、そういう雰囲気が吉高さんでイメージがしやすかった」と起用理由を明かす。

3月下旬にクランクイン予定の『横道世之介』は、都内近郊各所や長崎でロケを行い、5月上旬クランクアップ予定、2013年公開を目指す。【Movie Walker】

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