『人生はビギナーズ』メラニー・ロラン、出演の決め手は「ノーメイクで葉巻を吸っている姿」

インタビュー

『人生はビギナーズ』メラニー・ロラン、出演の決め手は「ノーメイクで葉巻を吸っている姿」

『サム・サッカー』(05)で長編監督デビューをしたマイク・ミルズ監督の最新作『人生はビギナーズ』(公開中)は、ユアン・マクレガー、メラニー・ロラン共演、そして第84回アカデミー助演男優賞ノミネートのクリストファー・プラマーがユアンの父親役で出演している人生賛歌の物語だ。

本作は、母に先立たれた5年後、癌を宣告された父ハル(クリストファー・プラマー)の突然のカミングアウトから始まる。「私はゲイだ」。ハルはここから新たな人生を始め、そして新たな喜びと幸せに満ちた日々を手に入れる。一方、ハルの息子オリヴァー(ユアン・マクレガー)は38歳で未だ独身。友達は仕事と犬。恋人とも長続きしないことが悩みだったが、父の素直な生き方を通して自身も大きな一歩を踏み出そうとする。その相手がメラニー・ロラン演じるアナという女性だった。今回、アナを演じたフランスの才媛メラニーのインタビューが届いたので紹介したい。

――アナという役について聞かせてください

「アナはもともとフランス人ではなく、アメリカ人という設定だったの。マイク(監督)が私を選んだ時、彼は『君はクレイジーだ。アナも君みたいな女性にしよう』と言ったのよ」

――では出演を決めた理由は?

「マイクは私に脚本を送ってきて、アメリカ人の役(実際はフランス人の女優の役)を探していたのよ。それで彼は私がノーメイクで葉巻を吸っている姿をYouTubeで見て、『僕の映画に彼女を出したい』と言ったの。そして私にテープに自分を撮って送るように言ってきたのよ。それで自分でテープを録画する時、彼と同じビジョンを撮ったのよ。わからないけど、私は脚本を読んで、軽くて面白いキャラクターを描いていたのね。それで音楽入りで短編を撮ったの。おもちゃの犬を抱えてね。そしたら彼から電話がかかってきて『僕の映画の雰囲気そのままだ。一緒に仕事をしよう』と言ったのよ」

――マイク・ミルズ監督について聞かせてください

「監督との関係を、あんなに自由に感じたのは今回が初めて。彼は、私がやりたいようにやらせてくれたわ。彼は本当に優しくて、礼儀正しくて、頭が良い監督だと思う。完璧でいるため、それにスタッフをリスペクトしてるため、毎日スーツを着てくるのよ。すごくお洒落なの。彼のそういうとこって、すごく面白いと思う。それに彼は、何よりも俳優を大切にしてくれるから、私たちが何かやる度に、『みんなが君たちのことを大好きになるよ。君たちは完璧だ』って、こうなの。だからもちろん何があっても大切にしてくれる監督のために、完璧にやろうっていう気になったわ」

――撮影の時の面白いエピソードを聞かせてください

「彼はすごく変わったことをしたの。ユアンと私を連れてマジックマウンテン(遊園地)に行って、ローラーコースターに乗ったのよ。ビデオで撮影したけれど、コンピューターをなくしたので、もうビデオは残ってないの。ビデオには私たち3人が怖がっている赤ちゃんみたいに叫んでる姿が映ってるのよ。ローラーコースターのてっぺんで、ユアンと私が『どうして?どうして?』って言ってるの。そうしたら監督から、『恋に落ちた瞬間があるだろ?怖いと同時にワクワクする。そういうふうに感じてもらいたいんだ』って言われた。(下に降りる)直前にそう言われて、私たちは、『わー!わかりました!』って感じだったのよ。嬉しいことに、その日の終わりにはユアンは私の親友になっていた。だから彼との共演はすごくやりやすかったわ」【Movie Walker】

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