米映画芸術科学アカデミー協会は完全なる男社会!会員の殆どが白人高齢者

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米映画芸術科学アカデミー協会は完全なる男社会!会員の殆どが白人高齢者

現地時間2月26日(日)に開催される第84回アカデミー賞授賞式までカウントダウンが始まっているが、このほどロサンゼルス・タイムズ紙が、同授賞式の鍵を握る米映画芸術科学アカデミー協会の会員の人種や年齢構成を分析した興味深い結果を発表した。

映画界の最高峰、アカデミー賞の会員は、映画会社などの重鎮をはじめ、映画プロデューサー、映画監督、脚本家、俳優など、映画界を代表する人々によって構成されているが、このほど投票者5765人について、ロサンゼルス・タイムズ紙が分析した統計結果によれば、構成員の94%が白人で、77%が男性で占められていることがわかった。さらに平均年齢は62歳、その中で、アカデミー賞にノミネートもしくは受賞した経験のある人物は1/3しかいないことも明らかになり、ハリウッド・レポーター誌が衝撃の事実として伝えている。

また、アメリカの映画人口の多数を占める黒人、ヒスパニック系に関しては、メンバーの中でそれぞれ僅か2%以下であり、50歳未満のアカデミー会員は14%しかいないことも判明した。実際に、アフリカ系アメリカ人の俳優賞受賞者は4%だそうだが、これらの結果から見ると、アフリカ系アメリカ人のハル・ベリーが『チョコレート』(01)で初めて主演女優賞を受賞したこと、そして『ハート・ロッカー』(08)でキャスリン・ビグロー監督が女性監督として初めて監督賞を受賞したことは、ある意味、納得の結果というわけだ。

かねてより、アカデミー会員が選ぶ作品や受賞者の傾向から、年齢層が高いことや、興行成績に見る実際の世の中の動きと、彼らの選択眼がマッチしていないことから、その特殊性が指摘されており、同協会も女性やマイノリティーの人種をメンバーに加える努力をしているようだ。しかしながら、今回改めて白人至上主義、高齢者のメンズクラブであることが数字で証明されたことで、今後は人種、年齢、性別の多様化に向けた動きが加速されることが期待されている。【NY在住/JUNKO】

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