初公開!『TIME』登場人物の名前に隠されたある秘密とは!?
2月17日に公開された『TIME タイム』は全ての人間の成長が25歳で止まり、“余命時間”が通貨となる近未来が舞台のSFアクションサスペンスだ。ジャスティン・ティンバーレイクとアマンダ・サイフリッドというハリウッド注目の若手俳優が初共演したことも話題となり、10代から30代の若い層を中心に集客、土日成績は動員20万3049人、興収2億7713万350円、オープニング3日間成績は動員26万1161人、興収3億5101万9550円を叩き出し、堂々首位の好発進を切った。監督を務めたのは名作SF『ガタカ』(98)のアンドリュー・ニコルだ。
そんな本作について、「世界観を表現するために衣装やセットはどのような考え方で創っていったのですか?」という質問に対して、アンドリュー・ニコル監督は「劇中のあらゆるものに時間を意識したデザインを施しています。スラムゾーンの住人は服を着るのにも時間をかけることができないので、ファスナーが多い服を着ています。彼らは歩く時も常に急いでいます。富裕ゾーンの住人はボタンがたくさんついた服を着ていて、これは自分の裕福さをアピールする行為なのです」と答えている。
だが、そんなこだわりは衣装やセットだけにとどまらなかった。実はもっとわかりやすい部分に秘密が隠されていたのだ。それは登場人物の名前だ。キャラクターの中でも一番の大金(=寿命)持ちで、アマンダ・サイフリッド演じるヒロイン、シルビアの父親はフィリップ・ワイス。そう、フィリップといえば“パテック・フィリップ”であり、スイスが誇る世界三大高級時計メーカーの一つだ。ジャスティン・ティンバーレイク演じる主人公ウィル・サラスはどうだろう? こちらもスイスの高級腕時計メーカー“レイモンド・ウィル”だ。他の主要キャラも見てみよう。キリアン・マーフィー演じるレイモンド・レオンは“ブライトリング”(レオン・ブライトリングが設立)、ジョニー・ガレッキ演じるボレルは“アーネスト・ボレル”、アレックス・ペティファー演じるフォーティスは“フォルティス”、マット・ボマー演じるヘンリー・ハミルトンは“ハミルトン”と、その名前の一部が全て時計メーカー(またはモデル)の名前に、すなわち時間に関係を持つものばかりになっているのだ。
これらは偶然の一致なのか? いや、そうではない。キャラは主役から脇役に至るまで、その名前の一部が時計メーカのそれと一致するのだ。他に例を挙げると、“ヴァシュロン・コンスタンティン”“シチズン”“エリーニ”“パシャ”(カルティエの定番)、“フランク・ミュラー”“タグ・ホイヤー”などなど。恐るべきこだわりと言えよう。
斬新な設定と数々のこだわりを見せてくれる本作だが、アンドリュー・ニコル監督は「本作は人々が憧れを抱く不老不死という願望についての物語であり、現代社会で起きている格差の問題もテーマの一つです。しかし、それだけの作品ではありません。観客の皆さんには様々な視点で本作を見てもらいたいです。本作はアクションサスペンスであり、迫力のあるカーチェイス、見事なアクションをこなすジャスティンとアマンダ、そしてラブストーリーの要素も見てほしいのです」と語るとおり、見どころ満載だ。様々な視点で楽しめる『TIME タイム』は絶賛公開中。是非ともスクリーンで堪能してもらいたい。【Movie Walker】