主演女優賞受賞のメリル・ストリープが、またもや興奮しすぎて忘れてしまったことは!?
メリル・ストリープはアカデミー賞ノミネート暦が最多17回という超ベテラン女優だが、『マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙』(3月16日公開)で第69回ゴールデングローブ賞の主演女優賞を受賞した際のスピーチでは、メガネを忘れたために原稿が読めず、放送禁止用語を連発。また、英国アカデミー賞で主演女優賞を受賞した際には、受賞スピーチで靴が片方脱げてしまい、プレゼンターのコリン・ファースが靴を拾ってメリルに履かせるといった一幕があり、今年はかなりの興奮状態にあったことが見て取れる。
それもそのはず、ノミネートは最多でも、『ソフィーの選択』(82)でアカデミー主演女優賞を受賞して以来、受賞には無縁だったメリルがサッチャー元首相を演じた今年は、『ヘルプ 心がつなぐストーリー』のヴィオラ・デイヴィスと共に本命視されていたことから、例年以上に受賞への思い入れが強かったようだ。
授賞式でメリルは、サッチャーにオマージュを捧げるために、ドレスはサッチャーが好きだったというランバン、靴はフェラガモを選ぶなど、ファッションまでサッチャー首相に成りきった。しかし、煌びやかな金のドレスには、それ以上の意味があるという。
米テレビ番組インサイダーによれば、「妊娠中のメリルが、『ソフィーの選択』(82)で初めて主演女優賞を受賞した際に着ていたのは金色のドレスだった。金はまさにメリルにとって、アカデミー主演女優賞に臨む際の勝負色だ」そうで、メリルにも願掛けの意図があったのかもしれない。
そんなメリルは今回、受賞スピーチの原稿を用意せずに登壇したが、快活なスピーチの評判は概ね良好だったようだ。場慣れしているはずのメリルが壇上で見せる一連の行動は、ともすると意図された大げさな演技ととられる向きもあったようだが、29年ぶりの受賞に対しては話は別。メリルが言うほど国民はうんざりしていなかったようで、視聴者からのツイッター数や内容などの結果から、関心の高さや反応が大きかった瞬間の一つであったことがわかった。
しかしWENN.COMなどの情報によれば、興奮しすぎたメリルは、「壇上のスピーチで、アカデミー賞をもたらしてくれたサッチャー元首相にオマージュを捧げるのを忘れてしまった」と会見後のスピーチで漏らしていたとか。昨年『英国王のスピーチ』で主演男優賞を受賞したコリン・ファースから、“唇へのキスというお祝い”をもらったメリルは、受賞後の会見中やパーティでもかなり興奮状態だったと各メディアが伝えており、傍から見ているほどは落ち着いていなかったようだ。
それを考えれば、ジョージ・クルーニーを制し、フランス人初の主演男優賞を受賞した『アーティスト』(4月7日公開)のジャン・デュジャルダンが大興奮してしまうのは当然の話。母国語ではない英語で用意したスピーチではあふれ出る感情が伝え切れなかったのか、最後にフランス語で、英語のFワードに当たる放送禁止用語を絶叫!受賞後の会見で記者からそのことを突っ込まれ、使用したことを認めたうえで素直に謝罪したという。
二度のアカデミー賞受賞を誇るトム・ハンクスが、受賞式前のインタビューで「壇上のスピーチやその後の記者会見での失言や失態を、その場で気がつく人はほとんどいないはずだよ。大体は後から録画されたものを見たり、誰かに指摘されたりされなければ、何を言ったのかも覚えていないくらいなんだから。後で気がついて恥ずかしい思いをするんだけれど、この日だけは許してもらえるよ」と発言している通り、改めてオスカー受賞の重みを感じさせられる授賞式となった。【NY在住/JUNKO】