マーガレット・サッチャーを演じ切ったメリル・ストリープ「彼女の政治方針はよく知らなかった」
イギリス史上、初の女性英国首相となったマーガレット・サッチャーの生き様を描く『マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙』(3月16日公開)。本作で主演を務めたメリル・ストリープのインタビュー動画が公開された。
先日行われた第84回アカデミー賞では過去最多17回ノミネートの末、1982年の『ソフィーの選択』以来、29年ぶりに主演女優賞を獲得したメリル・ストリープ。涙ぐみながら、「信じられません。本当にありがとうございます。名前を呼ばれて、アメリカの半分の人たちから『なぜ彼女なの?また?』と言う声が聞こえた気がします。でも、良いんですよ、そんなこと(笑)」とコメントする姿がとても印象的だった。
本作でメリルはマーガレット・サッチャーを見事演じ切ったものの、「私はマーガレット・サッチャーに関する政治的な意見を映画に持ちこまなかった。正直に言うと、私は驚くほど彼女の政治方針についてよく知らなかったのよ」と本音を明かす。撮影を振り返り、「女優として、リハーサル初日はとても重苦しい気分だったの。なぜなら、おそらく40か45人のイギリスの素晴らしい俳優陣に囲まれて、私が唯一の女性だったから。それはきっと、マーガレット・サッチャーが保守党に入った時に感じた気持ちに近いと思うわ」と、当時の心境を語り、「でも、彼らは皆ジェントルマンで、侵入者のようなアメリカ人の私に対して、とても優しく歓迎してくれたわ。でも、その設定が私にマーガレット・サッチャーを演じる勇気を与えてくれたと思う。彼女もある意味、侵入者のようであったのよ。イートン校卒オックスブリッジ大卒ばかりの保守党に恐れずに入っていったのだもの。だから、彼女にできたのなら私にもできるはず、そう思ったわ」と、当時の思いを話してくれた。
メリル・ストリープはいよいよ3月6日(火)・7日(水)で、2009年に『マンマ・ミーア!』PRで来日して以来、約3年2ヶ月ぶり3度目の来日を果たす予定となっている。オスカー女優の来日を大いに楽しみたい。【Movie Walker】