真実か挑戦か? 密室で行われる命がけの「王様ゲーム」とは
真実(トゥルース)か挑戦(デア)か。これは欧米で楽しまれている質問ゲームで、真実を選べば、秘密を告白。挑戦を選べば、質問者が提示した試練に挑む。日本のものに当てはめるなら「王様ゲーム」と言ったところだ。そんな他愛もないゲームが、命を賭けた死の遊戯へと化していく過程をスタイリッシュかつスリリングに描いた作品が、3月17日より公開されているイギリス映画の『トゥルースorデア 密室デスゲーム』だ。
同級生のフェリックスが主催するパーティーに招待された大学生のエレノア、ポール、ジェマ、クリス、ルークの5人。片田舎の豪華な屋敷を訪れた彼らを出迎えたフェリックスの兄ジャスティンは、突然5人に銃を向け、狩猟小屋に彼らを監禁する。数ヶ月前のパーティーで起きた事件をきっかけに、神経を病み、「“真実”か“挑戦”か」と書かれた差出人不明のハガキを遺して自殺した弟の死の真相を暴き、犯人に復讐するために5人をおびき寄せたジャスティンは彼らを椅子に拘束し、“真実”か“挑戦か”ゲームを開始する。
公開中の『ライアーゲーム 再生』をはじめ、『カイジ 人生逆転ゲーム』(09)、『インシテミル 7日間のデス・ゲーム』(10)など、近年の日本映画界でブームを巻き起こしているタイトルと同ジャンルの作品でもある本作は、極限状態に置かれた人間が、死の恐怖を前にして本性をさらけ出していく過程を描いていく。登場人物の微妙な力関係や繊細な心情の変化が観客に伝わるように計算されたカメラワークや照明、体内に硫酸と水、どちらかを流し込むための器具など、恐怖を煽る小道具などへのこだわりも、作品の完成度を支える重要なファクターとなっている。
日本でも放映されたテレビドラマシリーズ「大聖堂」に出演していたデヴィッド・オークスら若手実力派俳優の共演も魅力のゲーム系心理スリラー。緻密に組み立てられた謎の答えを目撃するために、是非劇場へと足を運んでほしい。【トライワークス】