森泉の妹・星が家なし・文なしの元プチセレブ女子高生に
2011年3月11日を契機に、人生が一変したプチセレブのお嬢様の生き様を通して、時にユーモラスに、時にシリアスに今の日本を描いた心温まるコメディ映画『青いソラ白い雲』が、3月31日(土)より公開される。「平成ガメラ」シリーズや『DEATH NOTE』シリーズで知られる金子修介監督最新作で主演を務めているのが、モデルとしても活躍中の森星(もりひかり)。抜群のスタイルと完璧な歯並びが魅力の彼女は、実は日本を代表するファッションデザイナー、森英恵の孫娘でもあり、タレントとしても活躍中のモデル・森泉の妹という正真正銘のお嬢様なのだ。
物語の主人公は、旅行会社の社長の父、専業主婦の母と祖母と暮らす苦労知らずのお嬢様リエ。2011年のバレンタインデーに両親が離婚するというハプニングがありつつも、秋からロサンゼルスの大学に入学することが決まっていた彼女は3月10日、日本を旅立つ。しかし、その翌日の3月11日に起こった東日本大震災によって生活は一変。帰国したリエを待ち受けていたのは、父親は詐欺罪で警察に連行され、自宅も借金のために差し押さえられたという衝撃の事実だった。そこに畳みかけるように、彼氏は被災地から連れ帰った犬をリエに託し、被災地へと戻ってしまう。
本作で森星は、ソラと名付けられる被災犬と明るくたくましく人生を生き抜こうとする女子高生を好演。2011年4月より活動を開始した新人ながら、まぶしいほどに明るい笑顔と圧倒的な存在感が金子修介監督の目に止まり、今回の起用となったようだ。その恵まれたルックスや意志の強さを感じさせる声など、生来のタレント性もさることながら、『毎日が夏休み』(94)の佐伯日菜子、『ガメラ 大怪獣空中決戦』(95)の藤谷文子らを抜擢し、彼女たちの女優への道筋をつけたことで知られる金子監督が、彼女の才能を最大限に引き出していることにも注目してもらいたい。
映画デビュー作でありながら主演という幸運を射止め、女優という新境地を開いた彼女の魅力を映画館のスクリーンで確かめてほしい。【トライワークス】