トム・ハンクス、黒塗り人種差別ビデオ流出で謝罪

「米国は白人のファーストレディーを迎える準備ができていない」と発言、物議を醸して謝罪したロバート・デ・・ニーロに続き、今度はトム・ハンクスが人種差別的なビデオに映っていたとして非難され、謝罪声明を発表している。

問題のビデオは2004年に撮影されたもので、トム・ハンクスは自分の子供が通う学校の資金集めのオークションでゴリラのぬいぐるみを売ろうとしており、彼の脇には顔を黒塗りにしてアフリカ先住民のような衣装をまとい、ゴリラのぬいぐるみを抱えた男性が立っている。このビデオを掲載した政治サイトThe Daily Callerによれば、この男性はやはり父兄の一人で、白人の投資銀行家だという。

また、ビデオには「この学校は保守的だから、君のような人は入れない」と黒塗りの男性に向かって言う人や、「資産マネジメントや株式投資なんて退屈だろう？ プロのバスケットボール選手になれば、もっと楽しく金儲けができる」と言う人の声なども録音されている。

トム・ハンクスが競売しているゴリラのぬいぐるみは“ゴリラ・トロフィー”と呼ばれ、ハンクスは「持参金付きです」と言っている。

これを受け、公民権運動団体の人種平等会議COREの代表は、オバマ大統領に次期大統領選挙戦のキャンペーンビデオのナレーションからトム・ハンクスを外すよう要求。「組織的で、悪質なレイシストたちの映像」と主張している。窮地に立たされたトム・ハンクスは、「父兄の一人があのような格好をしてステージに上がって来た時、不意打ちをくらいました。あの格好は当時でもひどく不快なものでしたし、現在でもひどく不快です。資金集めイベントは、いつもは食べて飲んでの楽しい夜なのですが、あの晩は、残念なことに、最悪の時間があったために台なしでした」という声明を発表したと米FOXニュースが伝えている。【UK在住/ブレイディみかこ】