美女の衣装は照明だけ!? パリの夜を彩るナイトショーはアート級の完成度
パリ観光の目玉として、ルーブル美術館やエッフェル塔と並ぶほどの人気スポットがある。それが60年の歴史を有するナイトクラブ「クレイジーホース」だ。このクラブの売りは何と言っても圧倒的な完成度を誇るダンスショー。ほとんど裸に近い女性たちの妖艶な舞が夜ごと多くの観光客を魅了してやまないのだが、そんなナイトクラブにカメラを向けたドキュメンタリー映画『クレイジーホース・パリ 夜の宝石たち』が現在公開中だ。
「裸の芸術」と称されるこのダンスショーは、一介のストリップを超えて、まさにアートレベルにまで高められている。また、厳しい選考をパスしたダンサーたちの容姿やスタイルもモデル並み。そのためか、ほかのナイトショーに比べてかなり露出度が高いにもかかわらず、不思議といやらしさを感じさせないのだ。男性だけでなく、女性からの人気も高い理由はここにあるのだろう。
本作の監督を務めたのはドキュメンタリー映画の巨匠として知られるフレデリック・ワイズマン。合衆国裁判所で上映が禁止された問題作『チチカット・フォーリーズ』(67)などの衝撃的な記録映像を世に問うてきた彼が、今度は極彩色の世界を鮮やかに切り取ってみせた。ダンスショーの舞台裏はもちろん、ダンサーたちのオーディションなども収めた本作の映像は言うまでもなく貴重なもの。さらに新作ショー「DESIR」も収録されているので、ダンサーたちが艶やかに舞う姿も堪能することができる。
世界中のセレブをはじめ、あの小泉元首相もお気に入りだったという「クレイジーホース」。本作を見れば、色とりどりの照明を身にまとって踊るダンサーたちに魅了されてしまうに違いない。【トライワークス】
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