市川実日子、田中圭が巨大招き猫とハッピーカモン!癒しの映画『レンタネコ』をアピール
『かもめ食堂』(06)や『めがね』(07)など、独特のユーモアと心温まるエッセンスで人気の荻上直子監督。最新作『レンタネコ』(5月12日公開)の完成披露試写会が4月9日(月)にスペースFS汐留で開催され、出演の市川実日子、草村礼子、光石研、山田真歩、田中圭が登壇。荻上監督作品の常連で、今回主演を務めた市川は「猫が17匹出てきます! かわいいです。でもそれだけではない映画になっています」と自信作をアピールした。
心に寂しさを抱えた人々に猫を貸し出して回る女性・サヨコを主人公に、人と人との絆を描くハートウォーミングな物語。大の猫好きだという監督が映し出すキュートな猫たちにも注目だが、市川は「撮影前に監督は『猫に何か強要することはしない。猫には自然にしてもらう』と言っていて、その言葉通り、猫たちの生き生きとした自由な姿が映っています」と笑顔で振り返った。そんな市川を草村は「市川さんが拡声器を持って土手を歩くシーンがすごいかわいいの! 少年のような感じで、惚れ惚れしちゃった」と絶賛。続けて「猫を通して、人と人が話をしたくなるような気分になる映画。誰かに電話をしたくなったり、手紙を書きたくなるはず」と目を細めた。
荻上作品初参加となる田中は現場の雰囲気を「ふわっとやわらかくて、ボーっとしている」とコメント。「ボーっと!?」と周りから突っ込まれると、「作業が遅いのではなくて、落ち着くってことですよ! なんでこんなに落ち着くんだろうって」と語るなど、すっかり会場のムードメーカーになっていた。現場にもなんとも優しい空気が漂っていたようだが、光石は「荻上作品はいつも現実とフィクションの間のギリギリのところを描いていて、演じる側はリアリティを持って取り組むと、ほんわかした映画になる。今回は猫がたくさん出ているので、なおさらその空気が色濃く出たんじゃないかな」と見どころを語ってくれた。
またこの日は、映画のタイトルにちなんで、静岡県浜松市の看板屋からレンタルされた“巨大招き猫”が会場にお目見え!土台を含めるとその高さは2メートル40cm。製作者も駆けつけて「構想20年を経て、仕事の合間に数年かけて完成させた」と明かされると、出演者一同「すごい!」と驚きを隠せない様子。左手を上げる招き猫は人を呼ぶとあって、映画のヒットを願い、一同が招き猫のポーズで舞台挨拶を締めくくった。
孤独な心にそっと寄り添う荻上ワールド全開。猫のぬくもりのような、やわらかな温かさが感じられる本作の公開を楽しみに待とう!【取材・文/成田おり枝】