水谷豊と安田成美の共演は木梨憲武がキューピット!東北発の温かなドラマ『HOME 愛しの座敷わらし』
「明日の記憶」など家族小説の名手・荻原浩による小説を、人気ドラマ「相棒」のスタッフが集結して贈るホームドラマ『HOME 愛しの座敷わらし』(4月28日公開)。完成披露試写会が4月12日(木)、丸の内TOEIで開催され、主演の水谷豊、安田成美、濱田龍臣、橋本愛、草笛光子、そして原作者の萩原浩、和泉聖治監督が登壇した。
映画の舞台にちなんで、岩手県の原風景が再現され、桜をはじめ、ガーベラ、スイートピーなど、春の草花が香る中でフォトセッション。水谷は「銀座のビルの屋上とは思えないね!」と喜びを口にしながら、「東北発の作品が全国に幸せを運ぶことを願っています」と挨拶した。
東京から岩手県に引っ越した高橋一家が、何とも愛らしい座敷わらしとの出会いをきっかけに、絆を取り戻していくまでを描いたハートフルな本作。監督は「原作を読んで、感極まって肩が震えるほど涙が出た。こんな原作に出会えて嬉しい」と感激しきり。水谷は家族のために奮闘する“普通のお父さん”をユーモラスに演じている。「撮影の期間中、ずっとこの家族で集まっては笑っていたことだけを覚えているんです」とにこやかに撮影を振り返ると、母親役の安田も「自由にやらせていただいて、それを受け止めてくれる。水谷さんがずっと現場を盛り上げてくれたんです」と続けた。水谷はキャスティングの段階から安田の出演を望んでいたといい、「僕は憲武と仲が良いんですが、彼が成美さんに『豊さんだよ! やるよね、ナル!』と言ってくれた。憲武に初めて感謝しましたね!」と、安田の出演には夫・木梨の後押しがあったことを明かしてくれた。
また、草笛と水谷の親子役共演は37年ぶり。草笛は「豊さんとデートをした時に、『この作品を一緒にやってほしい』と言われて。『あなたとなら良いわよ』と答えたの」と微笑んだ。子供役のふたりも、心から家族団らんを楽しんだようで、終始、水谷を中心に温かな輪が広がっていた。これには原作者の荻原も「皆さん、本当に仲が良くてワイワイしている。控え室でもそうなんですよ。僕は家族の邪魔をしちゃいけないような気がして」と苦笑い。「映画でもお互いをわかり合っている雰囲気が出ていた。映画というのは“人”が作るものなんだなと感心した」と感慨深けに語ってくれた。
最後に水谷は「この映画では、普段目にすることができないふたつのものが見られます。“座敷わらし”と“幸せ”です」と心を込めてアピール。穏やかな春の雰囲気たっぷりの舞台挨拶となったが、作品もまさに誰もがほっと笑顔になって、共感できる内容に仕上がっている。岩手の風景も美しく、水谷も『相棒』シリーズとはまた違った形で“情熱”を見せてくれているので、是非スクリーンで楽しんでほしい。【取材・文/成田おり枝】