『タイタンの逆襲』サム・ワーシントン「家族という要素を掘り下げた映画でもあるんだ」
4月21日(土)より公開の『タイタンの逆襲』の舞台は、全能の神ゼウス(リーアム・ニーソン)と人間の間に生まれた半神半人=デミゴッドの英雄ペルセウス(サム・ワーシントン)が、怪物クラーケンを打ち破ってから10年後。ペルセウスは10歳になる息子ヘリウスを男手一つで育てながら、村の漁師として静かに暮らしていた。一方、神々とタイタン族との間では、地上の支配を巡る争いが激化。人間からの崇拝を失ったことで、急速に力を弱めた神々は、投獄していた凶悪なクロノス率いるタイタン族を制御できなくなりつつあった。神々の裏切り、そして人類に最大の危機が迫ろうとしていた。そんな本作で、前作に続きペルセウスを演じたサム・ワーシントンに話を聞いた。
――前作と比較してどれぐらいパワーアップしましたか? また、あなた自身はどう変わりましたか?
「前作と違うのは、家族の関係性をより掘り下げられたこと。せっかく、リーアム・ニーソンやレイフ・ファインズといった名優が出演しているのに、銀色の甲冑を着せて立たせているだけじゃもったいないよ。彼らの魅力でもある、より深みのあるドラマも堪能してもらわないとね。今作は“父と息子”についての映画でもあるんだ。“父と息子”“父と兄弟”“父と叔父”、ちゃんと機能できていない、関係がうまくいっていない家族が、そのダメージを修復しようとする物語でもあるんだ。まあ、たまたま、そのキャラクターたちが、冥界の王だったり、天上の神々だったり、半神半人だったりするわけだけどさ(笑)。前作よりも相当ハードルを上げた今作は、SFXもより派手だし、3Dのレベルも断然高いし、前作と比べてかなりパワーアップしている。それに、ハデスもよりワル度が増しているよ(笑)」
――あらゆるアクションを自らこなしていますが、恐怖などはないのですか?
「子猫みたいに臆病だぞ、僕は(笑)。いや、でも、目の肥えた観客が、自らスタントをこなす俳優を求めるのに応えようと思っているところはあるよ。『ダークナイト』や『ボーン・アイデンティティ』でさらにハードルが上がった気がするけど、アクション俳優の先駆けとしてリスペクトしているジャッキー・チェンだって、メル・ギブソンだって、ブルース・ウィリスだって、ハリソン・フォードだって、ほとんど自分たちでスタントをこなしている。うっかり死なないように、節度のある範囲でだけどね(笑)。スタントに挑戦できるのもまた映画の楽しいところなのさ」
――本作で一番こだわったところ、難しかったところはどこですか?
「今作の迷宮のセットは可動式で、CGも少し使われているけれど、実際に天地も入れ替わるし、壁も動くし、特にあれがタイタンワールドへの洗礼だったロザムンド(・パイク、アンドロメダ女王役)は大変だったと思うよ。遊園地のアトラクション的な楽しさはあるけど、実際に埃や土を被るし、壁が迫ってくる時なんか、タイミングを外すと怪我だってしかねない。でも、そんなセットを作っちゃったってのがすごいよね!」
――アクションばかりに目が行きますが、それだけではない作品ですね。あなた自身、本作のどういった面に目を向けてもらいたいですか?
「これは神やモンスターが跋扈する神話的世界ではあるけれど、最初にも言ったとおり、うまく機能していない家族がお互いに関係を修復し、責任を持とうとする物語でもあるんだ。この“家族”という要素は、今作で初めて掘り下げることができたと自負しているよ。その辺りにも目を向けてもらいたいな」本本作はサム・ワーシントンも語っているように、派手なクリーチャーたちとのアクションも見どころだが、 それだけではなく、父と子、兄弟のドラマがしっかり描かれているところも大きなポイントだ。劇場鑑賞時には“家族”の要素にも着目してもらいたい。【Movie Walker】