瑛太、映画デビュー作から敬愛する豊田利晃監督を「俳優の基盤を作っていただいた人」
瑛太主演映画『モンスターズクラブ』の初日舞台挨拶が、4月21日にユーロスペースで開催。瑛太、草刈麻有、ピュ~ぴる、豊田利晃監督が登壇した。瑛太は「皆さんの心の中に何か1つ残れば良いなと思って、今日ここに立っています」と真摯な表情で挨拶し、映画デビュー作『青い春』(02)以来、敬愛してきた豊田監督作への熱い思いを語った。
本作は、全米を震撼させた天才数学者“ユナボマー”にインスパイアされた爆弾魔の物語だ。瑛太は『青い春』以来、豊田監督との4度目のタッグ作で、豊田作品初の主演を務めた。豊田監督は本作の脚本に込めた思いをこう語った。「ユナボマーのマニフェストを読んで、今の日本の状況のことを言ってると思った。それと東北の宮沢賢治、表現の方法は違うけど、挑んでるふたり。孤独な自然の中でサバイバルしている。それが映画の最初のアイデアになりました」。
本作で主人公・良一役を務めた瑛太は、豊田監督に「俳優の原点というか、基盤を作っていただいた」と語る。「いつも会うと、どこか見透かされてる気持ちになるんです。自分の中でも成長したいという気持ちがあって、去年の自分を全部出して挑みました」。良一の妹ミカナ役を演じた草刈は「瑛太さんは、撮影に入る前にセットに泊まってたりしてて。すごく意識を高く持っていて、私も見習いたいと思いました」と瑛太をリスペクト。現代アートのパフォーマーのピュ~ぴるは、良一の幻役を演じた。「普段はひとりでものを作っているので、大勢のスタッフさんや役者さんとものを作るのがとても新鮮でした」と語った。
また、瑛太から4月20日で19歳の誕生日を迎えた草刈にサプライズの花束が贈呈され、草刈は満面の笑みを見せた。その後、瑛太は豊田監督への思いをさらに熱く語った。「豊田さんの考えることや思うこと、豊田利晃という人の世界に入り込んで自分が演じることができることはとても幸せなことです。今後も是非呼んでいただけたら嬉しいですし、今後も映画を作り続けてほしい」。それを受けて豊田監督も「会った時からコイツは売れるなと思っていました(笑)。瑛太が10代、20代、30代、また40代になった時、一緒にやれれば嬉しいなと」と笑顔で語った。
瑛太にとって特別な一作となった『モンスターズクラブ』。現実の爆弾魔ユナボマーのエピソードを用いた本作は、今を生きる私たちに強烈なメッセージを訴えかける。【取材・文/山崎伸子】