『崖の上のポニョ』を参考に製作された『月と少年』の特別映像を公開

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『崖の上のポニョ』を参考に製作された『月と少年』の特別映像を公開

『トイ・ストーリー3』(10)などのピクサーが、スコットランドを舞台に王女メリダの冒険を描いた『メリダとおそろしの森』(7月21日公開)。本作と同時公開される2作品の短編アニメーションのうちの1作品『月と少年』の特別映像がオンライン上で先行公開された。

短編アニメーションが2本同時に公開されるのはピクサー史上でも初の試み。『月と少年』は第84回アカデミー賞ノミネート作品だ。パパとおじいちゃんと初めて一緒に働きに出た少年の成長をチャーミングに描く『月と少年』。仕事のため、3人が夜の海に小舟を浮かべ待っていると、やがて大きな月が昇り、少年の目の前で信じられないことが起こる。少年はずっと謎だった家業の秘密を知ることに。今回解禁された映像では、その素敵な家業の一端を垣間見ることができる。

メガホンを取ったのは2002年からピクサーのストーリー・アーティストとして活躍し、『カーズ』(06)や『カールじいさんの空飛ぶ家』(09)等にも参加しているエンリコ・カサローザ。本作は、監督初挑戦にも関わらず、第84回アカデミー短編アニメーション賞ノミネートの快挙を成し遂げ、注目を浴びている。宮崎駿作品の大ファンだというエンリコ・カサローザ監督が、自分にとって最も重要な作品は『紅の豚』(92)だといい、「飛行機も好きだし、僕が最初に描いたコミックは、空飛ぶネコを主人公にしたもので、『紅の豚』からモロに影響を受けているんだ」と明かす。

さらに尊敬のあまり、エンリコ・カサローザ監督は宮崎駿の製作過程をも真似ている。「宮崎監督がユニークなのは映画を一人で作っている点だと思う。ピクサーでも監督主導ではあるけれど、彼ほどの仕事量をあれほどの才能とスピードでこなせる人はいない。彼は全てをコントロールできる唯一無二の存在です。また、彼がすごいのは全ての絵コンテを自分で描いているということ。ピクサーではチームで担当するんです。実は『月と少年』の場合、短編ということもあり、宮崎監督の真似をして僕が一人で描いたんです。『崖の上のポニョ』(08)の絵コンテを水彩画で描いたというのを知って、僕も全部水彩画でやったり(笑)。みんなには『時間がかかりすぎる』とか『クレイジーだ』とか言われるし、実際にものすごく大変(笑)」と熱く語り、『月と少年』が今までのピクサーとは違ったアプローチにより完成した作品であることを明かしている。

『月と少年』とともに、『ニセものバズがやって来た』が短編アニメーションとして『メリダとおそろしの森』で公開される。【Movie Walker】


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