紫綬褒章受章の役所広司を宮崎あおい、樹木希林ら豪華女優陣が花束で祝福!

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紫綬褒章受章の役所広司を宮崎あおい、樹木希林ら豪華女優陣が花束で祝福!

日本の美しい風景を舞台に、親子の絆を描く『わが母の記』の初日舞台挨拶が4月28日、丸の内ピカデリー2で開催。役所広司、樹木希林、宮崎あおい、南果歩、ミムラ、菊池亜希子、原田眞人監督が登壇した。またこの日、これまでの功績が称えられ、役所が紫綬褒章を受章することが発表された。映画初日に嬉しいニュースが届けられた役所は、「こんなにめでたい日に、素晴らしい章をいただいて。これまで仕事をしてきたスタッフ、キャストの皆さん、今回の『わが母の記』の皆さんのおかげだと思っています」と感謝の気持ちを述べた。

「敦煌」などで知られる昭和の文豪・井上靖の自伝的小説を原作に、老いた母との距離を埋めようとする男の姿を通して、母の強い愛を描いた本作。モントリオール世界映画祭でも審査員特別グランプリ賞を受賞するなど、世界的に評価を受けている。原田監督は「うちの母も父の介護をしているんですが、力強い笑い話として話してくれる。そういう精神を参考にしてこの映画を撮ったんです。人間の尊厳の中にユーモアがある。肌の違い、人種など関係なく、自分がこの家族の一員になった感じがしたと言ってくれた」と、作品への思いを明かしてくれた。

記憶を失っていく母親役を、さすがの存在感で演じるのは樹木希林。樹木は「こんな息子がいたら、どんどん働かせます!」とユーモアたっぷりに役所を祝福。宮崎は「希林さんが、現場でどんどん体が小さくなっていく姿や、客観的にいろんなことを見て、ぱっと指示をする姿を見て、すごく贅沢な時間をいただいた思いがします。緊張するけれど、楽しい時間でした」と充実した表情で撮影を振り返った。また、南が「間近で希林さんの演技に触れられた。ふっと空気を変える力を目の当たりにさせていただいて、一生ついて行こうと思いました!」とリスペクト。樹木は「渡辺謙さんについて行ってください」と微笑んで笑いを誘うなど、終始ユーモアセンスを存分に発揮して、会場を沸かせていた。

続けて、役所に女優陣からお祝いの花束が贈られることに。役所は「こうやって女優さんに囲まれて、今まで経験したことのない華やかな現場でした」と照れ笑い。また「昨年の3月10日にクランクアップをして、翌日が震災。この作品に映っている空気、風景は何も汚染されていない、綺麗な日本の姿です。記憶に残る節目にこのような映画に出会えて、幸せに思っています」と感無量の面持ちで語ってくれた。

役所をはじめとした実力派キャストが織り成す愛の物語は感動必至。改めて家族のぬくもりを実感できるはずだ。是非大切な人を誘って、映画館で本作を鑑賞してほしい。【取材・文/成田おり枝】

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