優しく、温かい気持ちになる『HOME』の水谷豊「あれも僕なんですけど、これも僕」

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優しく、温かい気持ちになる『HOME』の水谷豊「あれも僕なんですけど、これも僕」

東京から岩手の古民家に引っ越して来た家族の物語を描いた『HOME 愛しの座敷わらし』が公開初日を迎え、キャストの水谷豊、安田成美、濱田龍臣、草笛光子、橋本愛が和泉聖治監督と共に登壇。ゴールデンウィーク初日とあって、劇場は超満員に。上映後、舞台挨拶に登場した主演の水谷豊が開口一番「サンキュー!」と声を上げると、大人の女性ファンたちは少女のように目を輝かせて喜んでいた。

映画の主人公・晃一を演じた水谷は、長年、ホームドラマ作品への出演を熱望していたようで、本作に対する思いも強い。そんな水谷は、近年「相棒」での役柄のイメージが強いが、今回演じた役柄については、「あれも僕なんですけど、これも僕なんだなと思いました。まるで自分をやってるような気持ちになるほど他人とは思えなかった。自分が高橋晃一だと、何か錯覚をしてましたね」とコメント。妻・史子を演じた安田成美は、「普段、テレビで見ている右京さんのイメージが強かったですが、撮影初日から晃一さんでいられて、とてもナチュラルでした」と現場での水谷の様子を語った。

「明日の記憶」の萩原浩の原作を映画化した本作。田舎暮らしに不慣れな家族が、不思議な体験を通しながら、家族のあり方を模索していく。映画の中で家族を演じたキャストたちは、水谷が「いつも家族で雑談してて、よく笑ってました」と話すほど、仲が良かったようだ。そんな中、難しい年頃の長女・梓美を演じた橋本愛は、「実は、私はあまりなじめていない気がしていたんです。でも(濱田)龍臣くんが遊んでくれた。ありがとう」と、俳優としては先輩の濱田の存在に助けられたことを話した。濱田は「古民家で追いかけっこしたりしました」と子供らしいコメントはもちろん、「水谷さんが中心となって場を和ましてくれました。もっと固い感じかと思ってました」と水谷の印象について素直に話すと、隣りの水谷は驚いた表情で「聞いてみないとわからない、みんなこんな気持ちだったんですね」としみじみ答えていた。

本作のメガホンを取ったのは、ドラマ「相棒」シリーズでメインの監督を務めている和泉聖治監督。監督は「昨年の震災の直後に岩手で撮影できたことを感謝しています。庭先に咲いている花も色が変わっていったり、自然が変わっていくのを見られて豊かな気持ちになれました」と撮影中の思いを話した。

また、現在映画のPRで全国ツアー中の水谷。5月6日(日)に沖縄の地でゴールを迎え、全移動距離は約1万2000km、日本列島縦断の4回分に相当する。これについて水谷は、「随分、残忍なスケジュールだなと思いますが、たいした作品を『面白いですよ』と嘘をつきながら回るのは大変ですが、この作品のPRは全く苦労はありません」と、正直に胸の内を明かした。そして「東北のお客様がすごく明るく迎えてくれました」と、観客の笑顔から元気をもらったようだ。

監督が「映画の中で座敷わらしが出てきました。座敷わらしを見ると幸せになれるそうです」と話したように、見る者に優しく、そして温かい気持ちを抱かさせてくれる映画『HOME 愛しの座敷わらし』。是非ともこの連休中に、家族一緒に劇場で楽しんでほしい。【取材・文/鈴木菜保美】

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